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君だと分かって初めて、甘えられるんだ









   ―放さないで―










「ただいま」




「ん」


玄関の方から声がしていた。
キバが仕事から帰ってきた以外になかった。


シカマルは仕事はしておらず、一般的に家事などを担当している。


力のあるキバが働きに行き、頭が回るシカマルが家のあれこれ。

それはもはや必然的にそうなったのだ。




いっしょに住むと周りに公表した直後はかなり批判されたり、引かれたりしたがそんなのどうでも良かった。


周りなんて慣れて面白くなくなったら人のことなどに興味がなくなることが二人には分かっていたから。





キバはゆっくりと部屋に入ってきて、台所にいたシカマルに後ろからしがみつく。




「ちょ……おい、キバ?」

静かに、そしてすこし焦ったような照れたようなシカマルをよそに、キバはシカマルをはなさない。



それはいつも戯れてきて抱き付かれるものとは違っていて、シカマルもそれは感じ取っていた。




「疲れた…マジで」


ここ二日、キバは家に帰っていなかった。
仕事が不況で働きづめだったらしい。


キバは久々に嗅いだシカマルの匂いに安心したのか、そのまま後ろから抱き付いたままだった。




「キバ、風呂、わいてる」


「もーちょっと待って」




今はこのままでいたい。

シカマルはため息をつきながらも、眉は緩やかに下がっていた。


キバが何を言いたいのか、何となく分かっていた。





「なあ、シカマル」



「どした」

「ちょっとさ、仕事で色々あって」



「うん」




「…しんどい」




「………うん」




今キバが行っている会社は、キバに向いていなかった。
頭をつかう仕事より体力仕事のほうが、キバには向いていた。

今の仕事は一日中、パソコンや資料に向かって作業するような所で、どちらかというとシカマルが得意とする方だ。


一日中机に向かって頭と手首からしただけを使うような仕事に、キバが向いている訳がなかった。



でもキバは男二人で満足に生活できる方を、と今の会社に入った。






「風呂、いっしょに入るか?」



「……え…」



「話、聞いてやるよ」








それだけでキバの顔に笑顔が灯るとシカマルは知っていたのだ。



包まれてるような安堵感だけでいいのだと。











「わがままついでにさ…」


「んだよ」


「…溜まってんだよなぁ」



「……お前さ、ムードとか………」



「…なー、シカマル」



「風呂入って飯くってからだかんな……」



「…っしゃ!」












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すらむぷ中に書いたものなのでgdgdですん


あきゅろす。
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