ほら、オレになんか構ってないで、
―最後まで迷惑―
今思い付いたんじゃないんだ。
ほんとはもう何日も何週間も何ヶ月も前から思ってたコト。
「別れよ、キバ」
春の日、
無邪気な犬に恋をした。
そいつはいつも笑ってたから、
自分も幸せになれる気がした。
熱い夏の日だった。
苛々してた。
生温い風に。
照りつける太陽に。
ベタベタくっついてくるキバに。
その時点で俺は駄目な人間だったんだ。
肌寒くなった秋の日。
屋上で転た寝していた俺の上に掛かってた学ラン。
どうしてありがとうって言えなかったんだろうって、それだけ。
だって、次の日キバは来なかった。
風邪を拗らせていた。
指先の感覚がなくなっていた冬の寒い日。
キバがクリスマスプレゼントだとくれた手袋を受け取らなかった。
キバの方が、指先冷たかった。
俺が用意してたのは、マフラーだったけど、
キバの首は冷えてなかった。
そして二度目の春。
桜の向こうに見えた大きな影に恋をした。
キバには言わなかった。
俺が欲張りだったから。
多分キバは、気付いてた。
フラれたその夜に、朝まで泣き言を聞いてくれた。
そしてまた季節は巡って、
春になる。
「…俺のこと、嫌いになったのか?」
そうじゃない。
違うよ。
俺はお前が好きだから、もう傷ついてほしくないだけ。
君なら、分かってくれると思ってるんだ。
「…ああ」
だから天の邪鬼なオレを許して。
もう誰も好きにならないから。
アンタは、小柄で可愛い女の子と幸せになって。
そして、結婚して子どもが出来たくらいの時に、もう一度笑って会えたらいいかなぁ。
「フラれたのはオレなのに、なんでシカマルが泣いてんだよ?」
「…泣いてねーよ」
「胸、貸してやろーか」
「……いらねーよ」
最後の最後までオレを甘やかせないでくれよ。
オレの決意が揺らぐから。
ほら、ここに
この匂いに包まれて死にたいと思ってる自分がいる。
(今度会う時までには、俺のことなんて忘れていて)
■□■□■□■□■□■□■
久々キバシカ?です(^^
最近くらい話ばかり書いてる気がする(・ω・)
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]
無料HPエムペ!