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痛い、痛い。痛いのはもう慣れた。





寂しいとき抱いてくれるくせに悲しいとき愛してくれないのは何故ですか
(私を殴るのに飽きたら答えてね)





「梵天、…」


「呼ぶ、な!触るな!」


「っぃた………、」


「こっちに来るな…!」



「ゴメン…なさい……」

彼が私を殴る様になった。


気に入らないことがあると、というよりは突然ヒステリーを起こした様に。


「ゴメンなさい、ぼんて…」
「ちがう、ちがう」










違う、違う。


怒りたい訳じゃないんだ。


殴りたい訳じゃない。






そういう梵天の顔は苦しみに歪んでいて、だから私は彼に何をすることも出来ないのだ。






「ねぇ梵天、私は貴方の味方ですから」

信じて下さいといって信じてもらえるなんて思ってはいない。

それでも、少しづつでも心を開いてくれたらな、と、おもってたんですが…


「っ黙れ!あんたになにが分かる…」




「いたっ……」


また暫くは外に出られない顔になってしまったかなぁ。

慣れたとはいえど、腫れたところが痛くない訳ではないし、グーで殴られれば誰だって。

でも、今日の夕飯の分の食材はもう冷蔵庫にないはず。
お酒も彼が昨日全部飲んでしまった。切らしたらまた機嫌を損ねてしまうかもしれない。






「……ちょっと買い物にいってきますね」


「警察にでもいくんだろう」

「え……?」


「酷い男に虐待されてるから、保護して下さい…ってさ」


「違いますよ!スーパーに買い物に…」


「嘘つけ!!…怖いんだろう?俺が。急に人が変わったように乱暴になって、暴れてる俺がねぇ…」


「…ぼん、」


「早く行きなよ、また俺が暴れ出したら傷つくのは君だよ?」



「…………」


「…早く行けって言ってるのが分からないのかい!!!早く行け…っ!……早くっ…」



「梵天……」


「……ゴメン」


そう、彼はいつも私に謝ってくれるから、私もそれ以上咎めたりしない。
だって反省してるんですから。

そう思う私は甘いんでしょうか。

だって、また時間が経てば彼の笑顔が見られる日がくるかもしれないって思ってしまう。



「ねぇ梵天、抱いて下さい」




「………優しくするから」



ふと見たテーブルの上に、少しだけ水の入ったコップと鎮静剤の瓶。


効き目は今から6時間だなぁ…と時計と睨めっこしていたら端整な彼の顔が近付いてきた。

今だけは幸せな時間を噛み締めたいとゆっくり目を瞑った。














(ああ、また薬を買っておかなくちゃ)

■□■□■□■□■□■□■

ひさひざあぷなので出来が(^^

恥ずかしい出来ですみません。




*お題配布元
剥製は**する


あきゅろす。
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