もうそろそろ忘れてもバチは当たらないと思うけど
―お願いだから僕に下さい―
「あらぁ、シカマルちゃん……これ、今月いっぱいで製造止めるんですって」
「…………え、」
「シカマル〜…もっと楽しいとこいこうぜ?」
「楽しいだろ、オレとデートできるんだから」
「こんなのデートっていわねーっ、しかも重いし!」
急に呼び出されたかと思ったら、山盛りの荷物を渡された。
なんだコレとおもって紙袋をのぞいたら、ああ、アレかとため息をつく。何でこんなに買うのと聞いたらシカマルは、これ…今月でなくなるらしーから、って。
断ろうと思ったら断れた。でも彼に、頼むからついてきてと言われて断る訳ない。
それで今だけシカマルの御付きのオレは、優しいから荷物持ちしてやってんの。
「こんなに買ってなにすんの?」
「供える。んでオレが吸う」
「おまっ…肺炎で死ぬぞ」
「そんな一気に吸わねーよ、ばーか」
それでも、体に良くはないに決まってる。
オレはあんま煙草とかに興味ねーから分かんねーけど、何個か入りの箱が少なくとも50箱はある。こりゃ力が無いシカマルには無理だと納得はしたものの、やっぱ悔しい。わざわざ俺に頼まなくたって。
「他のヤツに頼んでくれたらいーのによー…」
そりゃあシカマルが俺を信頼して好いてくれてるのは分かるけど、俺がお前を思う気持ちはそんな生温いもんじゃねぇって知ってるくせに。
こういうとこシカマルはずるいと思う。
あと10件ぐらい回るからって言うシカマルを見て、やっぱ切ないわって思う。
「キバ」
「なんだよぉ、重いぜー…」
「ありがと」
ああ、そういうところが意地が悪いんだ。
そんなこと言われたら、例え1000件の店を辿ろうとも俺はお前に付いていくの分かってるんだろ。俺はせめて二人きりの時くらい俺だけを見て貰いたいのに。
「シカちゃん、デートしようぜー」
「シカちゃんって呼ぶなっつの。んで、してんじゃんデート」
「だから、こんなんデートじゃねーの!だってさ…」
お前は天国のあの人のことばかりを考えていて、本当は俺なんか1ミリも視界に入ってねーの。
なぁ、そろそろコイツを譲って下さい。アンタがシカマルのこと好きだったのかはオレの知ったことじゃねーけど、アンタがコイツの心から出ていかない限り、オレもシカマルも幸せになれねーの。
「あー、デート、したいんですけど」
(どこまで俺を傷つけたら気がすむの)
■□■□■□■□■□■□■
キバ→シカ→アス です。
勿論アスマ死後の話。
最近この構図好きです。
そしてデートと言う名の煙草屋めぐり。
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