思いだしたのはアンタのゴツゴツの掌
―どうしてアンタは―
「アスマ、わりい」
「気にすんな、大丈夫だから」
任務帰り。オレンジ色の空を見つめながら俺はアスマの背中に乗っかってる。情けない。足挫いただけ。降りて歩けるのに、アンタが無理すんなっていうから。俺はアンタに甘えるしかないんだ。
「アスマ」
「ん?どうした」
「なんでこんなことすんの」
「お前が大事だから」
「嘘吐くなっつの」
知ってるよ。アンタは既に俺の気持ちに気付いてる。それなのに分かんねぇふりしていつもどおり。どうして何も言ってくんねぇの。
ごめんな、って言ってくんねぇの。
そしたら俺はアンタを諦められるのに。
アンタなんて好きでもなんでもない、って言える日がくるかもしれないのに。
「アンタずりぃよ」
俺はアンタが好きで好きで好きでたまんねぇけど、アンタには伝えられない。弱虫だから。アンタから切り出してくれたなら玉砕覚悟でアンタに好きだって言うのに。
アンタが俺をフってくんねぇのは、あんたが俺を好きだから。
弟子として。
後輩として。
息子みたいに愛してくれてるから。
だから俺はアンタを傷つけられないんだ。
「なーんでこんなにうまくいかねぇんだろーな」
アンタがもっと冷たかったなら、俺はアンタを嫌いになれたのに。
(きっと俺はアンタを一生思い続ける)
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アス←シカ
最近切ないのが大好き。
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