「あ、いた」
「……んだよ、授業中だろ」
―知りたくなかった―
月曜日の二時間目。俺の愛するアイツがみつからない。
教室にはいない。廊下にもいない。先生にお腹が痛いと嘘をついて探して回ったけれど、いない。トイレの個室も一つ一つ見て回ったけどいなかった。
授業中だから多分職員室のアスマ先生ってゆう線はないと思う。いや、あの人のことだから分かんないけど。
とりあえず空き教室を一つ一つ回って見ようかと思ったけど、多分殆どは鍵がしまってる。
そうなると一番居そうな場所は一つしかない。
そう、スタンダードでみんなが知ってる絶好のサボり場だけど、絶対に先生達には見つからないあそこ。
俺は全力で階段を駆け上がった。
「あ、いた」
「……んだよ、授業中だろ」
「そういうお前はどーなの」
「ん、寝てた」
「や、答えになってねーよ」
そうして俺は冷たいコンクリートに仰向けに寝転がってるシカマルの隣に寝そべる。
教室戻れと言われたって戻るヤツじゃないってシカマルだって分かってるはずなのに、それでも戻れって言われた。
そんなに俺がいるのが嫌なのかと思ってしまう自分が嫌いだ。
三月の風はまだ冷たい。よくこんなとこで寝てられるなぁって言ったら、お前も今寝てるじゃねーかと。
はい、そのとおりです。
「なんでこんな寒いとこにいんだよ」
「アスマんとこ行ったけど追い返されたから」
「…当たり前じゃん」
「まあなぁ」
ああ、あの駄目人間だって、教師としては一応ちゃんとやってんだなぁって初めて思った。もしかしたらコイツをどっか誰も居ねぇとこに連れ込んだりしてんじゃねぇかって、邪なこと考えたりしてた俺がバカみたいだ。
だって学生と教師だって男と男だっていうのにこの二人は付き合っていて、みんなには隠してるけど俺はすぐに気付いてシカマルに詮索したら、ああそうだけど…って別に何でもないように言われて拍子抜け。
「シカマルさ」
「俺寝てんだけど」
「起きてんだろ」
「寝てる」
「でさ、なんでアスマセンセが好きな訳?」
「…え、や、別に好きなとこなんか、ねぇよ」
「…ふーん」
心中では無いわけないだろなんで嘘つくのなんて思ったけど口には出さないように我慢我慢。
言いたくないようなとこが好きなのかと思ったらなんか苛立つから、考えないようにしよう。
「じゃあさ」
「まだあんのかよ」
「俺の何処が好き?」
「…は?」
(たった一つでいいんだ、それだけで僕は)
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キバシカというか、アスシカ←キバですかね…
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