「あえて言いたい。これは一体なんだ」
静寂を断ち切るのはいつも彼の仕事だ。僕のような空っぽの脳にはこういった時の思考という複雑な作業を瞬時に行うのは難しい。だからこれはティエリアの仕事。
「見たまんまだと、言っておこう」
そして答えるのはいつもロックオン。僕は状況と話の流れについていくので精一杯だ。
「またあの管理人の仕業か」
「…こんな夢を見るか、普通」
ああ、そういうことか。うん、僕もなんとなくだけどわかってきたぞ。
つまり、こういうこと。
『武力介入シリーズ 3』
「なんでチアガールなんだ」
そう、僕達は今チアガールの格好で地上にいた。なんでチアガールなのかはわからないが、管理人さんの夢だから仕方がない。
「…にしてもお前ら似合うな」
笑うのを必死にこらえて顔が変に歪んでいる。どういうわけかロックオンだけは上下ジャージを着ている。スポーツウェヤーならまだしも真緑のジャージは目にはやさしいが24の大人と考えると、第三者的には痛々しい感じがヒシヒシと伝わってくる。
「ティエリア.アーデ、スカート長いぞ」
ここでロックオン以外のチアガールマイスターの格好に疑問がでてきた。まずはーーー
ティエリアの場合
「確かにスカート膝ギリギリ下ぐらいだね」
「何を言っている。日本男性100人の統計ではミニスカートより“見えそうで見えない”のラインが好ましいという結果がでている。全く問題はない」
「ほー、どこでその結果を得たのかは知らないがそんなティエリアに新たな知識を与えてやろう。チアガールは膝下より本当に見えるラインの方がときめくことを」
「………エロおやじ」
「刹那、ロックオンが“おやじ”だったら僕はその一歩手前になっちゃうよ」
「……すまない(アレルヤに)」
「よしよし」
刹那の場合
「刹那〜、そんなお前も服が変だぞ(おやじにショックでおめめウルウル)」
「何故だ。20字以内で述べてみろ」
「アイラブガンダムのプリントはオタクっぽい(20字)」
「………愛するものを応援するのに何が悪い」
「だが刹那.F.セイエイ、背中のプリントのエクシアはどう説明する」
「秋葉原のオタクかお前は」
「はちまきをしていないだけでもありがたいと思え」
「それ末期だ」
「……俺はガンダムだ」
「いや、オタクだ」
「せめてマニアと言え」
アレルヤの場合
「アレルヤ…お前さんは違和感0だぜ」
「似合ってるぞアレルヤ」
「ちょっ、僕絶対変ですよ!!」
だっておかしい!スカートは本当に見えそうなほど短いし、何故だがお臍がチラッと見えてる、それに胸元はハートの形に切り抜いてある。(小さいけど)
「アレルヤ.ハプティズム、パンツが見えている」
「うひゃっ!!見ないでティエリア!!」
「「目の保養、目の保養」」
「刹那、ロックオン〜〜(泣)」
できる限りスカートを引っ張り今はこの場を耐えるしかない。
「僕こんなのやだよ。ロックオン交換してください」
「おいおい俺がこれ着たら俺受け目当てのやつ以外にとってはただの罰ゲームにしか映らないだろう。それに可愛いぞアレルヤ」
「………僕着替えてきます」
「何を言っている、今から任務だ」
「えっ……」
この格好で行くのだろうか、てんやわんやのアレルヤは他の二人に目で訴える。
「任務か、急ぐぞ」
「この格好でですか!?」
「似合っているぞアレルヤ」
「任務遂行が第一だ」
どうやら次は僕が遊ばれているようだ。冷たい風が吹き付ける。体は冷えるけれどそれよりもなんだか心が寒々しい。
ハレルヤ、僕は憂鬱だよ。
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夢第二段
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