[携帯モード] [URL送信]


ポタポタと、ビニールの傘に雨が打って独特のメロディーを奏でる。水たまりを避けて通ってもやっぱり靴は濡れてしまう。湿っぽくて憂鬱になるから、雨は嫌い。でもこうやって貴方を迎えに行く時間は、好き。



『 レイン レイン 』



こんな空模様なのにどうして外に出たがるのだろう。雨が嫌いなアレルヤには到底理解できない。そしてなぜ傘を持っていかないのか。今日の朝、テレビの天気予報で雨になると言っていたのを聞いていなかったのだろうか。


アレルヤは空き地へ向かった。
ロックオンはこうやって空き地へ行き子ども達に交じってサッカーをしているのだ。決まって雨の日に。子ども達のはしゃぐ声とボールを蹴る音が耳に入ってくる。雨が降っているというのに、そこだけがまるで別世界のように生き生きしていた。


「ロックオン、迎えに来ましたよ」
「おーー、今行く」
一際出っ張っているロックオンが手をぶんぶん振って応える。子ども達一人一人に頭を撫でて挨拶を交わし終えると、アレルヤのところまで走ってきた。
「わりーな、いつも」
「本当ですよ」
持っていた白いタオルでロックオンの濡れた栗色の髪を拭く。先端から滴る雫を優しく拭き取ってやるとフニャッとはにかんだ笑顔を向けられどうしていいかわからなくなる。
「……これ傘です」
「おう有難う」
「………あっ」
驚いた。だってロックオンがとったのは自分が手渡そうとしていたものではなく、さしていた傘だったからだ。
「ちょっと、それ僕のですよ」
「相合い傘、しよ?」
恥じらいもなく言うロックオン。きっと自分の顔はこの雨で冷たく冷やされていたのに、今ので真っ赤になっているはずだ。
「こっ子ども達が見てるじゃないか」
「ああ、それなら問題ない。俺達のこと知ってるから」
「なっ!!」
子供に何てこと教えてるんだい。なんて声、ロックオンには聞こえていないようだ。
「じゃあなロックオン、また遊んでな!」
「おう、お前らも風邪引く前に家帰れよ」


全くこの人は、自分勝手で、たまに子供ぽくって…なんて思いつつそれでも彼に適わない僕も、もうどうしようもないんだ。


++++++++++++


傘に打つ雨の音が強くなる。僕が濡れないように傘を傾けてくれているから、きっと彼の肩はさっきにも増してびしょびしょになっているだろう。
彼は優しい。
「そっち寄ってもいいですか?」
「勿論」
ちょこちょこ近付くと直接的でなくても暖かさを感じる。



雨は嫌い。でも、この空気は好き。



「手……繋ぎたい」
「傘持ってるからなあ。あーでも夜は雨止むって言ってたな」
天気予報見てたんだ。傘を持っていかなかったのは、わざとだったんだ。
「アレルヤー……」
「何ですか」




「夜、手繋いでデートするか」




************


夢で見たネタ。きっとロクアレが飢えてるんだ。




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]

無料HPエムペ!