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わたくしが夢の中で挨拶を交わしたのは、紛れも無くわたくし自身であった。わたくしは何故だか、一歩進む度にぶわりと苔と泥が舞う汚れた水底を歩いているかのような気分であったので、わたくしを生気の無い目で見詰めた。そんなわたくしを見てわたくしは陽気に笑うと、それでは、と言い靴音を響かせて去っていった。わたくしは暗い煉瓦の道の上で、わたくしが去って行くのをずっと見詰めていた。そんなわたくしはまるでか細い老木のようであった。わたくしの歌っている陽気な童謡が、暗い道の奥から微かに聞こえた。目が覚めた後、わたくしはひどくさみしくなって、独りで泣いた。



ゆめうつつ
































あきゅろす。
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