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「という夢を見たんだ」


「…ふーん」


いつもみたく死んだように眠ってたヤツが突然聴いたことの無いような声でうなりだしたからちょっとだけ焦って揺すり起こしたら、どうやら夢を見たという。
イーファでの闘いのあと死にかけの自分をオレがつきっきりで看病してやるという内容だったらしい。
つーかオイ、その夢のどこにうなされる要素があるんだよ。


「何を頼んでもすぐ頷いてせっせと世話してくれてね、あんまり素直に言うこときくから気色悪くてしょうがなかったよ」

「それでうなってたって訳か?そうかそれならいくらでもつっぱねてやるぜもううなされないようにな」

「キミに反抗されても痛くも痒くもないよ、僕を誰だと思っているんだい」



そんなの決まっている。

お前は──クジャ。


そう、クジャ(34)だ。



あの闘いで互いに覚悟した死は、鋭い鎌を振り下ろそうとしたところでスロウがかかった。
クジャに襲い掛かる目に見えないはずの死神の動きがコマ送りで再生されている。そんな感じだ。
つまりクジャは確実に死に近づいている、が、近づきはじめてからもうじき十年になる。



「…クジャ、お前は確かにすごいぜ。あれだけフラグをおっ立てておきながら十年近く生きながらえるとはさすがはジェノム様だな」

「フラグってなんだいジタン」

「十年も経てばな、新しい言葉や俗語だってポンポン生まれてんだよ。KYって知ってるか、お前みたいなヤツのことを言うんだぜ」

「というかキミだってジェノムだろう、少し背が伸びたからってこの運命に抗えやしないよ」

「お前はもうちょっと看病する気にさせる言動をしてくれよ」

「でもあの小さかった召喚士のお嬢さんに今にも抜かれそうだなんて、やっぱりジェノムは醜いねジタン(26)」

「放っとけ!」



でも本当、あのエーコがすっかり大人になっていたり、麗しのダガーはその輝きに更に磨きをかけて美しくなっていたり。
年齢のせいかおてんばな部分はなりを潜め、一国の女王として、王女として凛として君臨している。
サラマンダーやおっさんは元から老け顔だから変わりないけど、フライヤはただ老けたというのは惜しいくらいのキレあるオトナの女性だ。
クイナ…は、変わってねぇな。
ビビは……



「あぁもう知らねぇ。どうせお前まだ死にそうにないし」

「ハハ、違いないねぇ」

「だから大人しく寝てろよ」

「ジタン」

「何だよ」

「水が飲みたい」

「…おう」




命は続くんだろう

神様が、たとえそれを醜いと罵っていても


だってオレたちはまだ始まったばかりだから






end?







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鈴子さんの素敵企画『FF9の10周年をクジャジタで祝おうではないかフェスティバル』(脚色アリ)に投稿させていただきました第二段
『time is〜』の続きというかオチです
これまたM●SEの4thアルバムからタイトルを拝借しました。インビンシブル
クジャさまの飛空艇とも同じ名前です。意味は『無敵』(笑)
穏やかでロマンティック、それでいてマーチ風なドラムが効いたタダでは折れない力強さを感じさせる曲です
これタイトル全く考えずに書いた話なんですが、この曲しかねぇと思い丸パクした次第でございますごめんなさい









あきゅろす。
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