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「ミルク多めで頼むぜ〜!」
「ああ。」

スコールの部屋に遊びに来たバッツがとびっきりの笑顔で注文したのはホットコーヒー。
今日は雪が舞うような真冬日で、ゲーセンへ向かう元気が出なかった。そういうことだ。
寮だから本当はこんなに人が出入りするのは良くないんだろうと思っりもしたが、特に何も言われないので気にしないことにした。のは三人とも同じだった。
そのうちの一人、ジタンは今日も稽古で居ない。
誰かが欠けることはよくあることだった。バッツがテレビの前に置かれたPS2まで四つ足で這う。

「スコールはさ、RPGやらねーよなぁ」
「…やらないな、というかPS2自体俺のじゃない。」
「はははっそうだな。」

テレビと、いつだったかバッツが持ち込んでそのままのPS2の電源を入れ、前回やった桃鉄のディスクを取り出す。スコールがボロ勝ちして二人にピーピー言われたのが記憶に新しい。
コーヒーを二つテーブルに置きスコールがソファに落ち着く。
今日の獲物は、と品定めするバッツの後ろで某有名清涼飲料水社のCMが流れて…
『んんん〜』とうなるバッツ。スコールはその頭の向こうの映像に息を飲んだ。


「…ジタン…?」
「へ?ジタン?……ジタンんッ…!?」

珍しく目を見開いているスコールの視線を追えば、画面の中に見覚えのありすぎる顔を見つけて声が裏返った。

軽快なBGM、異国の古きよき街並、CGで表現された『赤い王冠』を追いかける金髪少年のキラキラした瞳。
すべての事象が結びつかなくて、近すぎる画面から目が離せなくなる。



『全てが君へ、TSU・NA・GA・RU!』





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例のCM。
58に内緒でやっちゃったジタンくん。









あきゅろす。
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