[通常モード] [URL送信]


たぶん僕らの出会いは、絶対に交わらない平行線上の出会いだったんだ。



初対面での大ゲンカ






ホグワーツ入学式の日、本に没頭し過ぎて降りるのが遅れてしまい、汽車から降るのが遅くなってしまった。
急いで入り口まで行くとそこには、短い黒髪の男の子が立っていた。何故か仁王立ちで。
身長は僕より少し大きく、顔は幼い割に偉く整っていた。

「…ホグワーツ……やっと…」

黒髪は何かをぽそっと呟いたが聞き取れなかった。…ていうか、かなり邪魔なんだけど。

「きみ…どいてくれない?」

後ろから声を掛けるが、

「…………」

無視!

「あの…ッ!」

少しボリュームをあげてみるがまた無視!
そろそろ降りないと置いていかれる気がして、僕は強行手段に出た。

「きみがわるいんだからね…ッ!」
「…ッ!?うぉあッ!!!!」

見事黒髪君地面着地。
頭から。
自画自賛するのもあれだけど、いつもながら見事な蹴りが決まった。

「〜〜ッ!!!なにすんだッてめぇっ!!!!」
「そんな邪魔な所にきみがいるからだろうっ!」
「あ?だったら声くらいかけろ!いきなり蹴るやつがあるか!!!」
「かけたさ!三回もッッ!!!!!」

黒髪君が掴み掛かってきたが、睨みつけ反論すると、彼はガシガシ頭をかいた。

「あーッ!!ちくしょ、おまえのせいでテンション下がったぜ!どうしてくれんだよ!」
「きみの気分なんかしらない!それにぼくの名前はおまえじゃない!リーマス・J・ルーピンだ」
「あー、そうかい!ならおれもきみじゃねぇ!おれはシリウス・ブラックだっっ!!!!」

シリウスがぼくにつられて吠えると、後ろから大きな声が聞こえた。

「ほらそこの二人!早く船に乗れ!おまえさんたちが最後だぞ」

毛むくじゃらの大男(たしかハグリットっていってた)が、向こう側で手招きしている。
ぼくたちはもう一度にらみ合い、ハグリットの元へ歩いた。

「まったく!きみのせいでさいごになっちゃったじゃないか!」
「うっせえな!ぐちぐちいうな!だからおんなはキラいなんだ!!!」
「………は?」

何を言ってるんだこのおとこは。という目でみるとあちらも同じ様な目でぼくをみた。

「は?じゃねぇよ、おまえおんなだろ?」
「……………」

彼は目がわるいのでしょうか。ぼく、みるからに男子の、きみと同じ制服をきているのに。

「……なにをみて、そう思うんだい?」
「かおとしんちょ…ッぶ、」

バキっ。
シリウスのきれいな頬にきれいな右ストレートがきまった。彼はあぜんとした顔でぼくをみていたので、もう一度睨みつけた。


「ぼくは、おとこだ!」


マジかよ!と叫ぶ声が聞こえたが、無視して船に乗り込んだ。

「おい、おまえさんあの黒髪の坊主…」
「あんなやつ、しらないッ!さっさといこう!!」









(それがぼくらの出会い)
(これから、恋に落ちるなんて全く知らなかった平行線上で。)





>>
出逢いで5のお題より。
配布元ひよこ屋







.


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]

無料HPエムペ!