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青い鳥とか
四つ葉のクローバーとか
流れ星とか

誰かを幸せにする 魔法

そんなものが
オレは 欲しかったんだと思う。


大事な 大切な妹とか
毎日馬鹿やってつるんでる仲間とか



……付き合い出して随分経つのに、
ちっともつれない恋人とか。


すべての 大切な人に





「おっ」


雨上がり。
水たまりに顔を覗かせる太陽を眺めていた視界の脇

朝露を浴びた淡い若葉の茂みに、ふと目に付いた違和感。


風に揺れて動くわけでもなく
ピカピカと光るわけでもない

しゃがんでまじまじと覗き込めば
それはまごうことなく
四つ葉のクローバー だ。



「すげー。
何か良い気分だなー…イイコトあんのかな」


1、2、3…4枚。
思わず指差して確認してしまう。

早朝バイトの帰り。
祭日の今朝はまだ辺りに人の気配はなくて



頭の中に一瞬

見せたい相手が浮かんだ。




「…へへ。」



葉を濡らしている朝露が淡く輝く


摘み取った四つ葉を掴んだまま



オレは、地面を蹴って
走り出した。








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