僕はいつだって真剣なんだよ。


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すばらしいせかい

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今日は月に一度の風紀委員の取り締まりの日。
真冬の外気はそれはもう冷たくて腹立たしいことこの上ないものだが、僕は上機嫌だった。
校門からどんどん流れてくるバカ共の中に、その上機嫌の原因のきらきらを見つけて、歩み寄った。


「ひっ、雲雀さん!」

毎朝原因と一緒に登校してくるボンバーヘッドの草食動物が僕に気付いてびくりと肩を震わせたけれど、そんなのは華麗にスルーだ。


「やあ隼人。」
「あ、ひばり、おはよ。」

やだ、この子今日もかわいい。
きらっきらのアッシュグレイは朝日を受けて光り輝き、真っ白い頬を寒気に桃色に染めて、僕を見留めてエメラルドの双眸を細め、ふわりと笑む。


「朝から寒いのに大変だな、風紀委員は。」

「僕は中に居たんだけど、君が来るのが見えたから、ね。」

「……そーかよ。」


僕の嘘を真に受けて、かたちのよい耳を頬よりも桃色に染めて少しうつむく。
(ほんとうは、朝からずっと待ってた。)
どうしたらいいんだぼくは。
愛しいっていうのは、こういう感情を指すのだね。
少しせつなくて、でもたまらなく歓喜に満ち溢れている。大事にしたくてたまらなくて、ずっと一緒にいたいなんて思ってしまう。

この子が僕をへんにしてしまったのだ。

「…んあ?10代目は!?」
「沢田なら先に行ったよ。」

目で脅したからね。

「俺も行かなきゃ!」
「あ、隼人!」

慌てて走り出した隼人の背に声をかける。
振り返るその子に、久しぶりのやくそくを。

「今日の放課後、家の鍵はあけておいて。」

「……おう。」

少し照れたように笑って、じゃあ、後でな!と走って行ってしまった細い背中に、自然とほほえむ。


僕が彼を好きなように、彼も僕を好いてくれているのだ。
それだけで世界はこんなにもうつくしい。
大嫌いなたまねぎもおいしい。

彼が僕を変えたのなら、僕も彼を変えてやろう。
僕は、隼人に僕以外の人間が見えなくなる魔法を使えるんだよ。
沢田の為に在るというその命の、所有権は僕にあるのだ。


放課後訪れる至福に心を踊らせながら、今日も楽しく草食動物達をフルボッコだ。





(あれは委員長じゃない…。)
(見ろよあのだらしのない顔…草壁さんが見たら卒倒するぞ!)
(なんかちょっと…、)



(((きもちわるい!)))




Fin.
(2008.?.?)

初めて書いたひばごく。
ひばりさんがたまねぎ嫌いかなんてそんなのフィクションです。
(だってハンバーグに入ってる!)










あきゅろす。
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