神は知っているのだろうか。
この世に一体いくつの幸と不幸が散布され、その中に一体いくつの善と悪と罪と罰が埋め込まれているのか。
「そんな事より、」
そう言ってわたしの口を塞いでしまうわたしの彼は知っているのだろうか。
わたしの中に一体いくつの喜怒と哀楽が植え付けられ、その中に一体いくつの真実を貴方に突き出す事が出来るのか。
「さぁ?お前が笑ってれば、俺はそれだけでいい」
ねぇ。
わたし達はどうしてこんなにも簡単に人を変えてしまう様な言葉を吐き捨てる事が出来るのでしょう。
「貴方さえ居れば他に何もいらないの。信じる?」
「あぁ。お前が言うなら」
ほんとは知っているんだよ。
未来って、簡単に変わるよ。
善くも悪くも何もかも、全て。
「大丈夫、何だって上手く行く。上手くやれる。恐れるな」
絶望をね。
何とかして霧に溶かしてうやむやにして、僅かに降り注ぐ光から希望を抱かずにはいられないの。
こんな世界で、貴方と手をとり生きていくことが正解だとか不正解だとか、選択をして答えを出せばわたしは納得するのかしら。
「だってわたしは、間違えたって失敗などは一度もしていないもの」
貴方は笑う。
こんなわたしをただの強がりだと。
でも他人は疎か、貴方すらも理解することはないだろう。
わたしが掴み続けていたものが未来だったのか過去だったのか。
全て手放した時、1番必要なものは一体何なのか。
「お願い。名前を呼んで」
いつか全て赦せる様になるのかしら。
「土方さん、わたしの名前を呼んで!」
「何故?何が怖い?何から逃げる?」
「わたしは―――」
知っているだろうか。
命を授かったものの使命を。
あなたは思い出せるだろうか。
生まれ変わる前に交わした約束を。
「土方さん、貴方は何を頼りに生きているのですか」
死ぬ時に思い出しては遅すぎる。
だからって生き急ぐのはもう厭なのよ!
「気づけ。もう、終わりへの旅はとっくに始まっている」
嗚呼。
貴方を道連れにしても良かった?
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