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構成要素
・だてさなだで
・両者女体















「いいなぁ…真田は…」
「なにがでござるか?」

今、青葉の城の一室。
甲斐の若き虎と奥州の竜、その二人以外は誰も居ない。

二方は、対峙しているわけではない。
向かい合ってはいるが、その距離はゼロである。
二人は抱きしめ合っていた。

小柄な政宗は、一回り大きい幸村に抱きかかえられるようにして、その豊満な胸に顔をうずめていた。
そこからくぐもった政宗の言葉が聞こえてくる。

「おっぱいがbigでよ…」
「おっ……び、びっぐとは、如何様な意味で?」
「おっきいってこと!」

腹いせに政宗は、顔をぐりぐりと更に押しつけて、谷間に挟まる。
息苦しいが、上で焦るうるさい声が聞こえたので、気分は悪くない。

「うわっ!政宗殿!!おやめくだ、あんっ!!」

更にいじめてやろうと、政宗はそのまま舌を出して谷間をぺろりと舐めた。

からだに回された腕が跳ねる。

「いやっ!政宗殿ぉおお!!」

べりべりっ!
と、音がしそうなくらいの勢いで引き剥がされた。
政宗はぶーたれる。


「Ah。」

「な、なにを怒っているのでござるかっ!」

怒りたいのはこっちだとでも言わんばかりに、胸を庇い政宗から距離を取る幸村。

「べっつに〜幸村のおっぱいをenjoyしてただけ〜」

また政宗が近づいてくる。
手をわきわきさせながら。

「ちょっ、まさ・・・わっ!」
「つーかまーえた」
「きゃっ!あははくすぐったいでござるう!!」

政宗は幸村に飛び付き、その胸当てからはち切れんばかりの胸を掴む。
ゆるゆると揉んでやれば、くすぐったいと身を捩る。

「こんなにあるんだ。俺にも寄越せ」
「ぃあ・・あははっ!あん、無理にござ、はぁあ!」
「よーこーせぇええ!」


二人はじゃれ合う。
戦乱の世の、しばしの休息。

乙女たちはあやうくはかなくも、愛らしい触れ合いを止めない。

ふと、身を捩りながら幸村は思う。
「政宗どのは、大きいのが…はぁ…好きなのですか?」
「Ah?、当たり前だろ。bigな方が…サマになるし…」

密着させていた体を離し、政宗は己の胸元を見やる。
僅かな起伏のそこをぺたぺたとなでながら、幸村のを見た。
どう考えてもおかしい。
俺のが年上なのに…!
政宗はまたむくれた。

「そうでござるか…でも、某は政宗殿くらいの方が、好きだ」

むっ

世辞は要らねぇと幸村を睨めば、彼女の表情は存外に真剣なものだった。

「歯向なら要らねぇぞ…」
「いえ、違います。
政宗殿の、お胸だから、いとおしいのです…」

離れていた距離を詰め、幸村は政宗の胸元に唇を寄せた。

「…っ、」
「政宗殿は、どこを取っても、お美しく、可愛らしい…」

長い睫毛を伏せながら、いつくしむようにひとつずつ、唇を降らせる幸村。


その様子に政宗の頬が朱に染まる。


「っ、前言撤回だ…!」
「ぅお」

政宗は幸村の肩を掴んで視線を合わせた。

「おれも、真田の………幸村のだから、すき…」

言ったあとに、ぷいっと横を向いてしまった。
頬はさっきよりも赤く、その年よりも幼い美貌が、さらに幼く見え、幸村の心を突き刺した。

「〜〜〜〜っ!まさむねどのぉおおおおおおお!!!!!!」
「ぐぉわっ!ぶむっ!さなだ、、くるし・・・!」
「流石は我が好敵手っ!なんとお可愛らしいことかっ・・・・・・!」
「ばっ…!かわいいって言うなぶふっ!」
「まさむねどのぉおおおおおおお!!!!」

幸村は、政宗が喋れないくらいに抱きしめ、その顔を己の胸にぐいぐいと押しつけた。
そのつむじに鼻先をうずめ、愛しき好敵手を離すまじと、抱き締めた。




少女ふたり。
乱世を駆ける、乙女らに、幸あれ。





おしまい
20110518


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
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