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土近+沖


就寝前、仕事の事で気になる事を思い出した。
別に明日訊けば良かったが寝る前にあの人の顔を見たくなり、仕事にかこつけて会いに行った。
近藤さんの部屋。
まだ明かりが点いている。「近藤さん、夜分にすまねぇ。ちょっと訊きたい事があるんだが」
「トシか?入っていーぞ」障子戸を引くと彼は執務机に向かっていた。
「どうしたんだ?」
彼はニッと笑って迎えてくれた。
ヤバイ。すっげー可愛い。
こんなオッサンが可愛く見えるのだから自分が重症であることは承知だ。
…とその目線を下に下ろし俺は村間沙に手をかけた。
「テメェ何してんだ」
最愛の彼の膝を枕にして最悪の男が微睡んでいた。
「何って膝枕でサァ。近藤さんの」

プチ。と血管の切れる音がした。と同時に鞘から刀身を抜いた。
「ちょっとトシ何怒ってんの?!お前らまた喧嘩してんの?!」
今現在の喧嘩の原因はアンタだと心の中で突っ込む。
「何で総悟がここにいるんだ…?」
「いや、何か寝れねーっていうから」
「近藤さんの膝枕が一番安らぐんでぃ」
そう言って近藤さん側に体を反転させあろうことか腰に抱きついた。
「テメェが寝れねえのは昼寝ばっかしてっからだろ!!」
「おい本当か総悟?」
「夜眠れないから昼間疲れちまうんでさぁ。だから今日はぐっすり寝たいんでぃ」
そう言ってまた腕の力を強めるとコイツに矢鱈甘い近藤さんは
「明日から仕事中は居眠りすんなよ」
と苦笑いで済ました。
腹がたつ。
幸せな気分で寝ようと思ったのに絶対眠れない。

「なんだ?トシも眠れんのか?」
「え?」
予想外の声を掛けられ返す言葉が見当たらないでいると近藤さんはまたもや最強に可愛い顔で
「三人で寝るか!」
と言い出した。
「は?ちょっ…」
「ええ〜俺は土方なんかとは嫌でサァ」
「まぁまぁいいじゃねえか!川の字で寝ようぜ!仕事ももう終わり〜」
そういうと近藤さんは沖田を抱えて布団に潜り
「トシも!」
と俺の首を掴んで布団に引きずり込んだ。
一枚の布団に大の男が三人…異様にも程があるが近藤さんは気にもせず
「寝しょんべんするなよ」といってすぐ寝息をたて始めた。
近藤さんを挟んで左に総悟、右に俺。呆気にとられた俺と総悟は一度目を合わせたが
「ちっ!しゃーねぇ」と総悟がまた近藤さんにべったりくっついた所でいつものアイマスクをしたのでそれ以上何も言わなかった。
俺はというと、もう十数年の片想いの相手と同じ布団に寝ているということで、自分でもヤバいぐらい心臓の音が聞こえて煩くて仕方ない。
そんな俺の気持ちを知らないこの男はグウグウと熟睡している。

俺はこっそり深呼吸して目をつむった。

翌朝結局眠れなかった俺の顔を見て
「ヘタレ」
と総悟に言われたのは言うまでもない。


*友達のサド山さんから頂いた小説です。
遊んだ時にサド山さんにヘタレ土方とお母さんな近藤さんの萌をちょろっと語っただけなのに萌え情熱で次の日の夕方頃には仕上げた、なかなかの職人です。
彼女も銀魂サイトを開けば良いのに!!


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