[携帯モード] [URL送信]







*ジャイアニズム
ハロウィン*
(幼少ハロウィン)



「おい!ブリキ野郎!」


バーン!と壊れてしまいそうな程勢い良く扉を開いく胴着姿の少年・スザク。
名前(通称、と言うべきか)を呼ばれて声の主の方へ振り向くルルーシュ。


「…僕はルルーシュって名前がちゃんとあるんだけど」
「良いんだよ!それよりお前、はろうぃーんって知ってるか?」


人の名前のことをさらりと"そんなこと"で済ませてしまい、ずかずかとルルーシュの住まいへと進入するスザク。
どうやらナナリーはお昼寝中の様だ。


「はろうぃーん?…ハロウィンのこと?」
「そっ、そうだ!そのはろうぃんだ!一体なんなんだ?」
「珍しいね、君が外国のことに興味を持つなんて」
「別に…皆知ってて俺だけ知らないとか嫌がらせだ!卑怯過ぎる!」


呆れた言い分。
まるでどこかのアニメのジャ●アンだ。
はー…と、何を言っても無駄だと悟ったルルーシュは自分の持ちえる限りの知識のハロウィンを説明し始めた。


「それはただ君が無知なだけじゃないか…。
ハロウィンっていうのは、ハロウィンとは、宗教の前夜祭の行事のことで、10月31日に行われるんだ。
過去に死んだ人がこの日にはよみがえると考えられているらしい。
今ではよく仮装する人を見るが、それはこの世に戻ってくる魂は悪い霊だと思われていたから、悪霊たちがその姿を見て驚いて逃げていくようにするためだったとか。
で、子供達がその仮装した姿で家々を渡り歩いてTrick or Treat!と言ってお菓子を貰いにいくという風習があるんだ。」


よくぞそこまでペラペラと言葉が出てくるな、と口をポカーンと開いて"僕が知ってるのはこれだけ"と呟いているルルーシュを見つめるスザク。
時々、こいつの頭には辞書が搭載されているのではないかと疑問を抱いてしまう。
取り敢えずスザクは説明の中で頭に残った単語を呟いた。


「とりっくおあとりーと…めんと?」
「トリートメントしてどうするんだ。トリック・オア・トリート!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ、って意味だよ」
「ふーん…遠回しに言わなくても直接おやつくれ、って言えば良いのにな」
「君妙な所で現実見てるって言うか素直だよね」


呆れ顔でスザクを見るルルーシュ。
そんなルルーシュの視線が気に入らなかったのか、スザクはイラッとして声を荒げた。


「ウルサいなぁ!じゃあお前に言ってやる!トリックオアトリート!」
「…おあいにく様、日本人のお口に合うお菓子はご用意しておりません。人に指さすのやめなよ」


ビシッ!と発音も怪しい、言いなれていない英語を発しルルーシュを指差した。
しかし、しれっとしたルルーシュに軽く流されてしまった。
スザクはわなわなと拳を握り締め、何かが吹っ切れたかのようにぼそっとひとこと呟いた。


「…じゃあ、お前でいい」
「は」
「お前のキスで許してやるって言ってるんだ!こっち向け!」
「何を急に…ばか、やめないか、ちょ…っ!」


スザクは無理矢理ルルーシュの顔をがしっと掴み、顔を近づけて…

ちゅっ


「…お前、下手くそだな。ま、これでお菓子の代わりにしといてやるよ。じゃーな〜♪」
「へ、下手くそ…!?にっ、二度と来るなー!」



妙に軽快なステップのスザクと、
最悪な後味のハロウィンを経験したルルーシュだった。


Happy Halloween?
(これも一つの、幸せのカタチ)











あきゅろす。
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]

無料HPエムペ!