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「先輩、先輩っ!!聞きましたか??」

「あ、あれでしょ?願いの叶う青い月!」

「そう、それです!そのブルームーンが今日見れるそうなんです!!」

「ブルームーン?なんだそれ。」

「なんや知らんのか?ブルームーン言うんはなぁ」

「見ると願いが叶うって言われている月の事です!」

「光の加減?で青っぽく見えるからブルームーンって言われてるみたいだよ」

「ふーん。願いが叶う月かぁ〜。」






「・・・・・ブルームーン・・・・」




+--+--+--+--+--+--+--+
願いの叶う青い月
+--+--+--+--+--+--+--+



「鬼道、見つかった?」

「いや・・・・、本当にどこに行ったんだあいつは・・・」

「なあ、もしかして外にいるなんて事ないよな?」

「こんな時間にか?」

「でも中探していないって事は外なんじゃないかなって。」

「・・・まったくあいつは・・・・・・・・俺達との約束を破って何をしているんだっ!!」

「まぁまぁ、とにかく行ってみようぜ!!な?」

「・・・・ハァ、そうだな・・・・・・・・」




****


朝、たまたま聞いたマネージャー達の話し
普段ならさして気にすることはないが、なんとなくその話しは気になった

ブルームーン
見ると願いが叶うと言われている青い月・・・・

本当に願いが叶うとは思わない

七夕の願い事や、神社や寺でのお詣りも、願ったところで今まで一度たりとも叶ったためしなどないのだから。
あれは結局自分の力で叶えるしかない事で、そのための意志を強める行為でしかないのだ
まぁ、ごく一部それで本当に叶うと信じている純粋な人もいるだろうが、生憎と俺はそれほどまでに純粋な人種ではない。
どちらかと言えば現実主義の方だからな。


結局願いが叶う叶わないは自分自身がどれだけ努力したかどうかによってかわるのだ
それはわかってる、
理解している、
まぁ、夕香が目を覚ますようにとは何度も何度も願ったが・・・・
それはそれだ。


肌寒い夜の風を感じながら空を見上げてみれば、普段ならば黄金色の光を放っているそれは、僅かに蒼みがかった白銀の光を放っている



── ブルームーン ・・・・
俺はお前にに叶えてほしい願いを告げに来たわけじゃない。
だってお前にそんな力はないだろう?
もしもそんな力があるのなら、神が本当に存在していて願いを叶えてくれるというのなら、この世に不幸なんてなくなっているだろう?
だから、だから俺は今日お前に誓いをたてに来た
俺は、
俺はこの先どんな事にあってもあいつ等を・・・
俺を救ってくれた、
支えてくれた、
俺が俺になる切っ掛けをつくってくれた、道を示してくれた大切な二人の親友をけして裏切ることはしないと・・・・
世界が二人の敵になったとしても、俺だけは二人の味方でいると・・・・・・・
二人との絆が永遠に切れることがないように・・・・
二人とずっと親友でいられるように・・・・



「・・・俺は円堂と鬼道のためになら、二人の笑顔のためにならどんな努力も惜しまない・・・・・・」

「なら、とりあえずまずは」

「俺達との約束を忘れてこんな所で一人月を眺めていないことだな。」


後ろから聞こえてきた二つの声に振り返れば、苦笑いを浮かべた円堂と、腕を組み僅かに青筋をうかべている表情の鬼道の姿


「・・・・・・・・っ!!す、すまないっ!!別に約束を忘れていたわけじゃなくて、約束の時間までまだ時間があったからその・・・・・・・・・・・・すまなかった・・・」

「ま、なんかあったわけじゃないみたいだし別に気にしなくてもいい「わけないだろっ!!円堂お前は豪炎寺に甘すぎるっ!!だいたい豪炎寺今日の約束はお前が言い出したものだろうがっ!!」

「まぁまぁ、あんま怒んなよ鬼道。誰にだって失敗の一つや二つあるんだからさ。それに豪炎寺だってちゃんと反省してるんだし、な?」

「・・・すまなかった・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・もういい。
で、お前はこんな所で何をしていたんだ?」

「?」

「夜風に当たるだけなら玄関先で充分だろ?」

「あぁ、月を」

「月?」

「何でまた」

「いや、今日の月はブルームーンと言うらしくてな、色も青っぽいと聞いたから少し気になったんだ。」


願いが叶う云々はあえて伏せることにした。
そのためにわざわざ外に出て月を眺めていたなんて絶対笑われるに決まってる。


「へぇ〜。言われてみれば確かにいつもより青白い感じ?だな。」

「・・・・円堂、お前本当にわかっているのか?」

「わかってるよっ!!
鬼道絶対俺のこと馬鹿にしてるだろっ!!」

「別に馬鹿になどしていないぞ?
ただ、サッカー馬鹿のお前にあの微妙な違いに気がつけると思っていなかっただけで。」

「それが馬鹿にしてるって言ってんだよっ!!」


いつものようにはじまった二人のやりとりに小さく笑う


「ほぉ。そうなのか?」

「・・・・もーいい。どーせ俺は“馬鹿”だもん。馬鹿。お前らみたいに頭よくないし?頭のいいやつどーし2人だけで話してれば??“馬鹿”なんかと話してもしょーがないもんな。」


いつもならだいたい“もーいいよ”で終わるのだが、どうやら流石に言い過ぎたというか、鬼道がやりすぎたようで、円堂はふてくされたようにブツブツ言いながら背を向けてしまった


「え、円堂・・・」

「・・・・。」

「・・・ぉ、こったのか?」

「フンッ」

「っ、・・・・・・・・すまない、ふざけすぎた・・・」


珍しく鬼道がオロオロしているのはやはり円堂には嫌われたくないからだろう。


「・・・。」

「・・・・ぇ、んど・・・・・・・・」


円堂自身別に本気で怒っているわけではないだろう。偶には反撃したかっただけで。
そんな二人のやり取りにもう一度小さく笑った。


「円堂、鬼道も反省しているようだし、許してやったらどうだ?
それ以上やると鬼道が泣くぞ?」

「ぅえ!?あ、ぁ、えっと、な、泣くなよ鬼道っ!!俺もう怒ってないからっ!!」

「っ、俺は泣いてないっ!!」

「でも、泣きそうだっただろ?」

「・・・・豪炎寺貴様・・・(怒)」

「まぁまぁ、落ち着けよ鬼道。
っーかさ、そろそろ戻らねぇ?」

「あぁ、そうだな。
豪炎寺も願い事し終わったみたいだしな(ニヤリ」

「!?」

「そうそう。
願い事終わったみたいだからな(笑)」

「!!?」


ニヤリと悪戯っぽく笑みを浮かべた鬼道に同意するように円堂も笑みを浮かべている
あきらかにこれは・・・・・・・・


「お前ら知っててっ、」

「「秋(春奈)から聞いたからな。“ブルームーン。願いの叶う青い月。”」」

「まぁ、」

「まさかお前がわざわざ願い事をしに行くなんて思ってはなかったがな(笑)」

「・・・・・・・俺は別に願い事をしにきたんじゃないっ、ただ、誓いをたてようと・・・・」

「似たようなものだろう?
誓いをたてるということは、何か絶対に叶えたい願いがあるということだろう。」

「っ───・・・」

「でもさ。豪炎寺」

「・・・・なんだ」


最初から二人に何をしていたのかバレてしまっていたことがなんとなく恥ずかしくて、その照れ隠しで少し不機嫌そうにこたえる


「多分、絶対叶うぜ。
その願い事。」

「は?」

「あぁ、そうだな。」

「だってさ、俺も鬼道も同じだもん。な?鬼道。」

「あぁ、同じだな。」

「・・・同じって、」

「「俺達も豪炎寺と鬼道(円堂)とずっと親友でいたいって(と)思って(い)るって事だ。」」

「っ、」

「だからさ。
絶対叶うぜ、その願い事。」

「俺達が俺達であるかぎり絶対にな。」

「さ、行こうぜ!
早くしないと就寝時間すぐ来ちゃうしさっ!!」

「そうだな」

「あぁ。」


差し出された二人の手をとり、三人一斉に走り出す


ブルームーン、
願いの叶う青い月・・・・
どうやらこの願いはわざわざ誓いをたてなくても叶いそうだ
俺達が俺達でいるかぎり ── ・・・




end




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