歪曲の鮮血 2
そして、放心している男の腰にまたがっていく。
「はぁッ、ん、あぅっ……!」
男の陰茎が、俺を犯していく。
再奥を目指して、犯されていく。
自分の体重で、挿(さ)さっていく。
慣らさなくても、入っちまうのは、俺の男遊びの頻度を表している。
気持ちイイコトの何が悪いんだよ。
淫乱な、自分。
「あぁんッ…! ぁっ、あぅ…んッ!」
男は動かない。
特務師団長サマの媚態に見入っている。
童貞みてぇな顔してんじゃねぇ。
もしかして、初めてだったりするか。
「あぅ、ぁあ…んッ!」
だから、俺は自分から腰を振る。
腰を揺らし、気持ちイイ。
動いて、雄を招いていく。
イイトコを擦られて、声が出ちまう。
自分のではないような高い嬌声は気持ち悪い一方、爽快だ。
しばらくしてから。
男の雰囲気が変じていく。
理性が、本能に塗りつぶされていく。
雄の雰囲気だ。
それが、実行に移される。
そして、俺を襲ったのは衝撃。
「ひぁん、ぁあァッ!?」
下からの、激しい突き上げ。
男が動き出した。
上肢の鎧の音が、うるせぇな。
ふたつの動きが交われば、絶頂はすぐそこだった。
「あ、アッシュ師団、長……」
「ぁっ、ぁあんッ! イく……!!」
俺の右手は、床を滑る。
脱衣したベルトを手繰り寄せた。
その先にあるのは、己の愛刀。
衰退する判断力を奮い、どうにか柄を掴んだ。
その動作に、男は気付いてねぇ。
俺を貪るのに必死だ。
愚かな、男。
「ひぁ、ん! ぁあ、あアァッ──!!」
「──ッぅ!」
達した。
俺も、男も。
熱を放ち、注がれる。
だから、鞘走りの音は聞こえない。
無機質な金属音に勝るは、灼熱の喘ぎ。
俺の喉から迸る嬌声で、かき消したんだからな。
男に、鋭利な銀光が認知できたか。
俺は自信を持って、否定できる。
万が一、出来たとしても、無駄な足掻きだがな。
「……師団、長……」
その男の下腹部を濡らすのは、俺の精液だけではない。
紅だ。
それは、真っ赤な液体。
まさに、鮮血色。
出所は、男の喉。
頸部の鎧は、安易だ。
その間をすり抜けているのは、刃。
俺の剣が、突き刺していた。
「そこそこ、気持ち良かったぞ」
俺は、嗤う。
同時に、右腕を払う。
剣を、引き抜いた。
噴出する、男の紅色。
俺に降りかかる。
これを飲むのも、好きだ。
萎縮した男のモノが、未だ埋まっている。
気色悪りぃ。
考えただけで、キモい。
俺は、腰を上げる。
「ひぁ、ぅ……!」
萎えた陰茎から、身を引いた。
擦れて、思わず声が出ちまった。
途端、ナカから精液が溢れ出てくる。
もう、父親のいない種だ。
役立たず、だ。
「──さて、と」
熱は鎮まった。
だが、死体はどうするか。
証拠隠滅はしとかないと、またヴァンがうるさいからな。
やっぱ、ヴァンでないとダメだな。
END
アッシュ視点だと、エロさと下劣さとエグさの三点セットが、10倍増しのような。
お下品で、すまーぬ…。
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