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「レーン?」
「なに…?」

皆マスターと出かけてて、今家にいるのはオレとミクオだけ。
オレはベットにうつむせになりながら漫画を見ていた。

「いや、レンと二人だけで留守番なんて、久しぶりだよね」
ニコニコと微笑んでいるミクオ。
オレはその笑顔を見ると、再び漫画に目を向けた。

「うん…」

漫画の内容は主人公とヒロインが恋人同士で、でもお互い初めての恋人だから何をしたらいいかわからないという何とも初々しい恋愛漫画だ。

なんでこんな柄にもないようなものを見てるかというと、さっきメイ姉が「これを読んでレンもはやく大人になるのよ?」と、この漫画を押し付けて出かけてしまったからだ。

漫画のタイトルは【初めての×××】。
表紙とタイトルで読む気も失せたが読まずに返せばメイ姉が怖いし…
仕方なく今読んでる。
ページをめくると、ギョッとした。

いきなり主人公がヒロインにキスしたからだ。

主人公の部屋にヒロインが遊びに来ていて、二人きり。
ヒロインがベットにうつむせになりながら雑誌を読んでいた所を主人公が襲い掛かり、キスしたのだ。

更に驚くオレ。
だってだって…!
部屋に二人きり。 一人はベットにうつむせ。 そのコは本を読んでいる。

…当てはまりすぎている。

で、その二人は…
一人赤くなるオレ。
いや、その。
ミクオとキス…なんて絶対あり得ないけど!
でも、もしオレとミクオが…

ってオレ何考えてるんだ!?
更に赤くなる顔。

さっきまでずっと漫画へと向けていた視線をチラッとミクオに向けてみる。

目があった。
すかさず漫画へ視線を戻す。

な、なななんで見てんだ!?
いつから…
しかも笑ってた、うん。
更に更に赤くなる。

それに気付いたようで、ミクオが口を開けた。

「あれ?なんで赤くなってるの?」
「えっ!?赤くなんかなってねーよ!」

オレはあわてて漫画で顔を隠す。
その異変にニヤリと笑い、ミクオは立ち上がりオレの隣に寝転んだ。

「ふーん…。ねぇ、何見てるの?」
そう言うと、ミクオはオレが持っていた漫画をスッと取ってしまった。
や、やばい…!
キスシーンのページでとまってるはず。

勿論ミクオはそのページを見た。
まじまじと見てからこちらに顔を向ける。

「へぇー。レンってこんなの見るの?」
「これはメイ姉が勝手に…!」

焦って否定するオレに対してミクオはニヤリと笑いながら更に漫画に手を付ける。
前のページから読んでいるようだ。
シーンと静まり返る部屋にページをめくる音だけが響く。
あと、オレの鼓動とかも。

「あれ?このシチュエーション。まるでさっきまでの僕とレンみたいじゃない?」

その言葉に反応してしまった。
「そ…うだね」
絶対今、顔赤いと思う。
まともにミクオの顔が見れない。

「ねぇ。じゃあしちゃう?」

…はい?
何を言ってるかさっぱりだ。

「何、を?」
自分でも薄々気づいてたのかもしれない。
「何って、この主人公とヒロインが今してること」

そ、それは…
キス、てことですか!?
「何言ってんだよ!?オレたち男なんだぞ?!」
驚きを隠せないオレに対してミクオは冷静のようだ。
それ以前に、余裕そうに笑みを浮かべている。

「別にいいんじゃない?レンがよければの話し」
「な、なんだよそれ!…ミクオはどうなんだよっ」

正直、いいかもしれない。
ううん。 ミクオとしたい…かも。

「さぁ。レンが言ったら答えだしてあげてもいいけど?」
にっこりと微笑むミクオ。
コイツ、絶対Sだ!!

「〜っ。オレはっ」


物語の続きは、ご想像にお任せあれ。


【完】


あきゅろす。
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