どこまでも
青く澄み渡った
空
それは全てが始まったあの時と同じ空だと、そう思った。
「ルルーシュ、見てごらん……全部終わったね」
そっと、ルルーシュの手を取る。
お互いに視線は空へと向けたまま、指先で互いの存在を確かめ合う。
触れ合う熱、それだけでルルーシュの存在をこれ以上なく実感出来る。
全てが満たされていると感じる事が出来る。
それは希望も、絶望さえもが自分を構成するものだと素直に認められる静かな心を満たした。
「あぁ…スザク。お前だけは地獄に付き合わせてしまったな」
何でも一人で背負って来たルルーシュらしい言葉。
「後悔してるの?」
そんな事はないと、もう知っているけれど。
ルルーシュの、いや俺の願いでもある事はお互いに口にしていないだけで。
この思いは伝わっているのだという自惚れではない確信。
「まさか…甦っても、ここはもうブリタニアじゃない。独裁者は死んだのだから」
それこそが、ゼロレクイエム。
俺達の……誓い。
「独裁者としてのルルーシュは、ね。」
全てを壊して作り上げたもの。
それは最後ルルーシュ自身が滅びる事によって完成した。
「ルル……君は死にはしない。ギアスそのものだから……生と死と。ふたつとも持っている者」
でも。
コードを受け継いだルルーシュは、こうして今を。
永遠を生きる存在へと変貌を遂げた。
「スザク…」
辛そうに顰められる瞳でスザクを見つめる。
その瞳からギアスの力は消えた代わりに背負った罰が、ルルーシュの額に刻印として刻まれている。
王の力はルルーシュを孤独にしなかった。
スザクがそうさせなかったからだ。
一人では変えられない運命も二人でなら変えられる。
変えられた所を見せて貰った。
C.C.はそう笑って、逝った。
「僕に生きろと言ってくれた」
その瞳に柔らかく微笑んで返す。
今まで、ずっとルルーシュに伝えていなかった優しさを込めて。
生きろというギアスはスザクの命を、そして運命をも変えた。
「スザクは好きだ……でも永遠の命を持った俺は人間として生きていく事は出来ない…」
生きる事が贖罪と思っていた。
それは今でも変わらない。
でも二人なら。
「それでも構わない、ルルーシュ。二人の世界を見つけよう……ランスロットに乗って」
生きたい、そう思えるんだ。
「ざまぁないね、私がギアスによって生かされてしまった」
廃墟となった宮殿は見るも無残で。
全てを失った自分の心には、やはり執着心がないという事を再確認しただけでシュナイゼルに変化をもたらす事は無かった。
それはこれからも変わらないだろう。
しかし、これからの世界に必要だから生かされた。
ただそれだけの事。
完敗だな、そう独り言つ。
「シュナイゼル様……」
聞き止めたカノンが悲しそうに眉を顰めるのを見て、苦笑しながら言葉を綴る。
「カノン、二人を迎えに行ってくれないか。」
きっと、見つからないだろうという確信を隠して。
「畏まりました。」
二人が生きていればいいと、それは希望だ。
「みんな初めからやり直しだ……ここを優しい世界にしよう。」
「あはぁ♪バカには勝てないねぇv」
おわり(色々な意味で)
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