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例えば。
永遠の愛だとか。
愛を知らない自分がそれを求めてしまったが故の結果が、これなのだろう。




永劫回帰




銃声が高く響き、その後、耳が痛くなる程の沈黙が降り積もった。
いつもならば感じない筈の反動がいつまでも腕に微かな痺れを残す。
それは罪悪感よりも、甘美とも言える高揚感。
腕の痺れが収まるのを待って、ゆっくりと倒れた存在へと近づいた。
黒のマントが無機質な廃墟へと広がり、流れ出た血液が華を添えていて。
綺麗だな、と思う。
跪いて顔を覗き込めば、見開かれた瞳は絶望が埋め尽くされて凝った色をしていた。
絶望を形にして取り出したようなその瞳はどんな宝石よりも綺麗で。
映った自分を認識する事が無くなってしまうのは残念だけれど、これで宝石と同じように手元に置いて大切に隠して置けば、もう何処へも行かない。
それにとても安心している自分がいる。
誰の目にも触れさせず、これからは自分だけのものだという昏い悦びに唇を歪ませる。
そっと指を伸ばせばまだ肌は暖かく、その体をゆっくりと抱き起した。
白いパイロットスーツにルルーシュの紅がべっとりと付着する。
思付いて、それを舐めれば何故か甘い気がした。
成されるがままの身体を強く抱き締め、その感触に酔う。
滑らかな漆黒の髪が頬を擽った。
失血に伴い、雪花石膏の肌が現実味を薄れさせ、まるで作り物のようにさえ感じる。
一切の表情を失った事で、より美しく際立つ造形美。
事切れてなお色を失わない薔薇の口唇に引き寄せられるように口付ける。
「ルル………愛してるよ…?」








あきゅろす。
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