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「美しき暗殺者!(前編)」
7号がいつものようにボケをかましている頃、1号を皮切りにロボット婦警がエネルギー吸収ロボット、タコカイナーZに捕われていった。松戸凶授は6人を渡す条件に極性高分子結晶体、ポンポコニウムを差し出すよう要求していた。
6人は気がかりだがポンポコニウムは渡せない春田警部は充電器を用意した上で6人を救出次第ポンポコニウムを投げ、単身戦うよう7号に命じる。
引き渡しの場所で7号は命令通りポンポコニウムを投げるが、ノーコンのため田んぼに落とす。タコカイナーZが7号の電気を奪うが、彼女は乾電池式のため春田警部がすぐ再起動させる。警視総監が6人を充電し、戦闘員が動かしていたタコカイナーZは彼女たちの反撃に遭う。
ポンポコニウムを見つけ出した春田警部は「こいつはおれのもんだ!死んだってはなさねーぞ!」と声に出して死守しようとする。受け取った7号はドリブルしながらポンポコニウムを守ろうとするが、サッカーゴールの罠にかかってポンポコニウムはブラッディ・ミサことヒットロイド33号の頭脳として組み込まれる。
ついにこの悪のオートマティックレディは完成した。

究極の頭脳を搭載し、なおかつオートマティック6人の特長を兼ね備えた強敵と7号はどう戦うのか。

<感想>タコカイナーZの正体は容易に読める。捕えられた6人は徹底調査され、その特技をことごとく模倣して与えた松戸凶授はやはり天才。ポンポコニウムによるオリジナリティまで与えられたミサは否が応でも強敵と思わせて次回に続く。
後編の展開を思えば、春田警部のポンポコニウムを死守せんとする時の台詞は「おれの手から誰にも渡すものか!」が妥当に思える。

「美しき暗殺者!(後編)」
「うちはヒットロイド33号…またの名をブラッディ・ミサゆーんじゃ よーおぼえちょき!」
春田警部と目の合ったミサは彼に向かって突き進む。彼らを血祭りにあげるように言う凶授だが、春田警部に好きと言って抱きつく。人違いではないかと言われて照れるミサの言葉からポンポコニウムを守ろうとする時の言葉をプロポーズと取ったと分かる。
「うち あんな情熱的なプロポーズ初めてじゃ…だから…警部…」

2人で強引に布団に入るミサを7号が阻止する。幼児退行して7号に泣き付く春田警部を見たミサは「喧嘩する程仲がいい」という表現も出た6人のロボット婦警の話を聞いて失恋したと思う。意気消沈の隙に倒そうとする6人をミサはその頭脳たりポンポコニウムの効能で返り討ちにして瞬殺する。
恋敵と見る7号を入念に仕留めようとすると7号は肥溜めに落ち、ミサは追って汚れて気絶する。人工呼吸をした7号を逆上して倒そうとするミサを春田警部はピストルで仕留めるよう7号に命じる。
「はよ とどめをさしな うちが死んでも誰も悲しむやつは誰もおらんのじゃきに…」
失意のミサは止めを刺すように言うと、7号は汚物塗れで格好をつけても仕方がないと言って一緒に入浴する。
凶授と袂を分かって放浪の旅に出て、いつか7号と決着をつけると告げるミサに7号がファーストキスのことを言う。
「やなこと思い出させんじゃねーっ」
ミサはまた怒るも、これ以上気分が悪くなる前に彼女は妙な相手と思いつつ、自分に甘さのあるだけの可能性も考える。

<感想>
生まれたてのミサが情熱的なプロポーズ(と思った)についてこう思うのは変。「誕生早々あんなプロポーズを受けて、うちはこれからどう警部につくして生きるべきか悩むところじゃ」と言うべきでは? 
ミサが長時間春田警部に抱き着いてからの7号のファーストキスの相手ありきの展開は嫌になる。(この時はウブでベッドテクニックは知らなくとも)Hの中でファーストキスをしようとするのが自然。
ミサが春田警部にぞっこんでは彼と先輩6人、自分にないものが2つあると思うのも引っ掛かる。“7号、おまんは春田警部に好かれてしょうまっこと幸せ者じゃ。ついでに6人がいるのもうちは羨ましいぜよ”と思うのが妥当な気がする。 

「ブラッディ・クリスマス!」
ミサは春田警部を我が物とすべく、東京に来た。ロボット婦警達がクリスマスパーティーの準備をしているとザイダベック号に乗って現れたブラッディ・ミサ。
「ふっ知らざあ言って聞かせやしょー」
暗い日々を送ったと言うミサは4ヶ月で強くなったところを6人ををまたも鎧袖一触にすることで見せ、警視庁のクリスマスパーティーの余興で7号と女子プロで戦おうとする。
再会した春田警部にHを求めるも、

やはり7号に勝つまでお預けとするブラッディ・ミサ。
「7号!今日こそおまんを地獄の底にたたきおとしてやるぜよ!」
12月25日に7号と雌雄を決して公然と春田警部を我が物とし、本の残りのページを濡れ場で埋め尽くそうとする(春田警部は「エロ本にする気か」と慌てる)。
6人のロボット婦警の技能を使いこなせるようになっていたブラッディ・ミサは7号を圧倒、止めは全エネルギーを注ぎ込んだ持ち前のレーザーガンで刺そうとする。
ブラッディ・ミサを恐れる春田警部が立てと言って先輩達も続け、7号は隠し芸用に練習していた南京玉簾の芸で光の弾丸を反射、ブラッディ・ミサをフォールして彼女の勝ちが決まる。
来年のクリスマスに7号と決着をつけると言うブラッディ・ミサ。7号に二度敗れた後なので先輩ロボット婦警が疎むブラッディ・ミサだが…
「たっしゃでくらせよ7号!」
春田警部7号にお揃いの手編みのマフラーを贈って2人の幸せを願って去るブラッディ・ミサであった。

<感想>
悪のヒットロイドに警視庁の屋上でプロレスを行う権限があるか、(作中で言われるように)武器の使用は反則でないかというのはギャグ漫画なので不問に付す。
ブラッディ・ミサの言うことを聞いたアナウンサーは「自作のロボットに手を出す春田警部は変態でしょうか」と流し、春田警部は必死に否定した。どう反応したか描かれなかったブラッディ・ミサだが、「変態でも何でもうちの最愛の警部じゃきに、7号には渡さん。公然とうちのものにするため…」と言えばよかった。
2号と同じスーパーコンピューターを搭載したブラッディ・ミサが編み方に差を出すのはご愛嬌。
習得した四十八手を春田警部に試すのも決着後に回すミサが暗い日々を彼とまぐわうのを糧に生きてきて、多くの意味で強くなるまでのブラッディ・ミサのスピンオフも読みたかった。

「S.O.Sソラリス潜水艦!」(最終回)
誤解から家出することとなった7号は乗った船が転覆した後、A国の新造ロボット原子力潜水艦ソラリスと仲良くなっていた。
ロボットが人間に生殺与奪を握られていることに我慢のならないソラリスは7号を降ろしてから自爆しようとし、通信をシャットアウトする。
7号が命がけで原子炉を止めようとしていると聞いたブラッディ・ミサは狂授ら犯罪者達に混じって見つめていた。
「7号が自分の命をかけてじゃと!?」
先輩達が餞別にくれたニッケルカドミウム電池を好きな人にミサを挙げる7号は原子炉に投げ込み、原子炉は停止する(実は7号を悲しませたくないソラリスの意志による)。
解決後、7号にいうことを聞き違えるようでは他所にやれない、一生傍に置いて扱き使うと言う春田警部を見るブラッディ・ミサの姿があった。


<感想>
犯罪者達とで寿司詰め状態になって地盤を崩して落ちるギャグの後、春田警部が離さないという7号を羨む様子のないブラッディ・ミサが素敵。
粋なことを度々しながら7号に闘志を燃やすブラッディ・ミサが見たかったものだ。

表紙ページ


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