『恭弥さん、お料理を覚える』シリーズ第一弾!
〜卵焼き編〜
「きょーや!オレのために毎朝味噌汁を作ってくれ!」
「無理」
しばし、間。
「…っ、オレ、イタリア帰る!」
俯いたまま、暗いオーラを背負ってドアノブに手を掛けるディーノ。
そんな後姿に、雲雀は声を掛ける。
「今度は誰から情報?君の部下?それともパイナップル?」
毎度のことだと、雲雀は大きなため息を吐く。
「君の部下」というのはロマーリオ。
日本通らしく、新しく覚えた日本の文化をディーノに教えてくるらしい。(それが正しい情報でも、間違った情報でも、だ)
「パイナップル」というのは説明するまでも無い、六道骸のこと。
骸は間違っている情報をディーノに吹き込み、いつもその姿を見て楽しんでいる。
そして今回の「毎朝味噌汁を作ってくれ」というのは…まぁ、間違ってはいない…が、多少古いプロポーズの言葉だ。(古い以前に、コレを使った人はいるのだろうか)
「ロマーリオが…きょーやに使ったら結婚してくれる魔法の呪文だって…。」
雲雀に声を掛けられて、ソファへと戻ってきたディーノは、しょんぼりとうなだれている。
「…それはね、古いプロポーズの言葉なの。今使っても誰もときめかないと思うよ」
(…いや、彼の容姿なら、女は飛び上がって喜ぶか…)
なんて苦い想像を、舌打ちをしてかき消す。
「そっか…でもさ、オレ、きょーやの味噌汁飲んでみたいな!」
さっきまでの暗いオーラは何処へやら。
にこにこと満面の笑みを、その綺麗な顔にたたえて、お願いをする。
「…無理だってば」
「なんでだよ?味噌汁くらいいいだろ?」
そっぽを向いてしまう雲雀に、ディーノは迫る。
「…作ってあげたいのは山々だけど…」
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