「うーん…」
「何をそんなに悩んでいるんだヴァン?」
「あ、遊星。ちょっとな…」
「これは天然石のカタログ…何か買うのか?」
「うーん、そうなんだが…なぁ遊星はさ」
「なんだ?」
「もしもの話だけどさ、好きな相手に渡すアクセに付ける石はどんなのを選ぶ?例えば、渡す相手の瞳の色の石とかっていう意味で」
「難しい話だな…やっぱり相手が好きな色の石が良いんじゃないのか?」
「やっぱりそうかなー(ここで色訊くのは不自然だよな…)」
「あとは……」
「どうしたんだ、遊星?」
「いや、この二つの石が好きだと思ってな…」
「カーネリアンとアンバーか…ちょっと意外だな」
「?何がだ?」
「遊星って青系の石を選ぶかなーと思っていたからさ。例えばコレとか」
「アズライトか…確かに嫌いじゃない」
「やっぱり、俺も好きだぜ」
「でも、俺は…」
「遊星?」
「…何でもない。ちょっとD-ホイールのメンテナンスに行ってくる」
「りょーかい。俺はまだここにいるからさ。(…本当に遊星って何でこの二つの石が好きなんだろうなー。カーネリアンはオレンジ系だしアンバーは黄色系だし…どうしようかなー)」
「分かった。(……そういえば、俺は何であの石を選んだだろう…何となくヴァンの瞳に似ているから答えてしまったんだが…)」
瞳の宝石
(知らず知らずの内に、石に彼を重ねている)