You☆are☆fascinate〜2〜




街を転々としていると色んな事を耳にする


『あの街は今近寄らないほうがいい』

『あの山には山賊が住み着いてて畑仕事が出来ない』


『最近女ばかり狙う盗賊がいる』



など…



この三つの噂が重なったのがこの信州…上田城の城下街
どうもこの街の半数の女が攫われたらしい。
俺がここに来た理由は昔馴染みに頼まれたのからだ



「最近物騒だからなぁ…しっかし…あいつなんか狙うバカがいるとは…まぁ、アナを狙ったバカは返り討ちだったらしいが」


アナの凄さを才蔵は昔から知っていたため差ほど驚かなかった。しかし、アナの使者は
『アナ様ではなく妹の方をと…』



妹ってどっちだ?
まてまて、まさか二人とも?



本人に聞けばわかるだろう…

















***********





「アナ」



名前を呼ばれて声がした方を見ると、そこには父親の『幸村』がいた



「父上、あの馬鹿坊主どうにかならないの?見てるだけで気持ち悪いんだけど」


あぁ、想像しただけで寒気がするわ…




「そう言うても伊佐那海の護衛にはなっておるからのぅ…」


「当の本人は嫌がってるじゃない…」


はぁ…とため息を漏らし、稽古場に目をやると鎌之介が入って行くのが見えた


「でも、鎌之介はどうするの?あの子、舞以外の武芸ダメだし…」

「隙だらけだしのぅ…誰か知り合いに頼むしかないのぅ…といっても、もう来ているみたいじゃがな」

「父様には敵わないわね…


二人で鎌之介が誰かに狙われないか不安で不安で仕方ない様子をみせつつ、それを遠目で眺めている人物がいることを二人は気づいていてアナは勝手に使者を使って才蔵を呼び寄せていた事を話した



「ほぅ、あの才蔵か。やんちゃでアナに負けてばかりいた」


昔を思い出して幸村は笑いだし、それを横で聞いていたアナは苦笑しつつ


「今は私より強いと思うわよ?才蔵、来ていいって」



アナの合図を確認して才蔵は二人の前に姿を現した


「ほぉ、そなたがあの才蔵か…でかくなったなぁ〜男はこうでなくてはな!」


オッサン…言ってる意味わかんねぇんだけど…


「で、俺は誰の護衛すりゃぁいいんだ?」


幸村の言葉はスルーしてアナに話しかける才蔵…

これでもこの上田の城主。その城主を二人は無視して会話を続けていた


「真ん中の妹の鎌之介を護衛してほしいのよ…あの子…可愛いんだけど武芸がダメ過ぎて…心配で…」


「妹なのに男みたいな名前だな」

男勝りな女だからそんな名前なのか?

「とにかく、頼んだわよ!鎌之介には父上から言っておくから」

「あ、あぁ…」



それだけ返事をすると、幸村とアナの前から去った。



「あやつなら…鎌之介を守ってくれるだろう…」
「だといいのだけど……族の頭はわかってるの?」




空を見上げる幸村、
それを返すように話すアナ…


「いや…まだじゃな…佐助に探らせてはおるが…まだ帰って来ておらんのじゃ」


予測だけはついてるが確証がない…
それが掴めるまでは…



「まぁ、座敷とかで探ってみるから期待せずいてちょうだい」



そう言い残してアナも稽古場へと向かった






「何事もなければよいのだが…」





TO BE NEXT…

2012.03/02





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