You☆are☆fascinate *1


俺には求めても手に入れられない物がある



存在してるはずなのに…
気づくと消えている




今思えば…それはなんだったのだろうか…






*You☆are☆fascinate*




幼い頃預けられた鎌之介にとって、今の住み心地は満足はしてはいなかった

自分が何のために預けられたのか何の為に女の格好で過ごさなければならないのか理解が出来ずに育ってきた


「早くここからでてぇなぁ…」




毎日女物ばっか見せられて屋敷から出たとしても男だとバレたらいけない…


はぁ…めんどくせぇ…



舞の稽古場で舞いつつ考えていると一つ下の妹が入ってきてガバッと前から抱き着いてきて倒れそうになるがなんとか耐えて妹の伊佐那海を支えてやる



「鎌之介ぇぇぇ!助けて!」


「はっ?何から?」


さっぱりわからないんですけど…

だが、その謎はすぐに解けた。



ドタドタドタドタッ!!



「伊佐那海ぃぃぃぃぃぃ!!」


「きゃぁぁぁぁ!」


あぁ…あいつか…



稽古場にたどり着いた男『清海』は息を切らしながら鎌之介の前まで来て正座して言った



「またあんたかよっ…何度きても同じだぜ?」

はぁ…とため息を吐きつつ鎌之介がそう伝えると清海はお構い無しに叫ぶ

「いや、拙者は諦めぬ!そなた達の兄にしてくれ!」



あぁ〜ウッゼ……
誰だよ『鎌之介が許してくれたら息子として迎える』とかほざいた阿保はっ!



「ぜーっったい嫌!私には鎌之介とアナだけで十分だもんっ!」



アナとは伊佐那海と鎌之介の姉で、舞の師範代を務めている自慢の姉。
だが、アナも清海だけは生理的無理らしく、晴海が屋敷に来たら姿を消してしまう


なので、鎌之介が二人のボディーガードみたいな存在らしい


当の本人はウザくて相手にするのは嫌いだった



「むむっ…最近この近くで舞子を狙う輩がいるらしくてのぅ…それから守るためには兄が必要ではないかと悟ったのだ!!」



こいつなりに考えてるわけ…か…


「あぁ〜それなら父上が用心棒雇ったって言ってたからあんたは必要なくね?」



へっざまぁみやがれ



「鎌之介、それ本当?」

「あぁ?昨日…そっか、伊佐那海は寝てたもんな。わりぃ、言うの忘れてた」


伊佐那海は鎌之介の腕に捕まったまま

「大丈夫だよ〜この人が近くにいるより用心棒さんの方が安心だもんね」

「ま、そうだな」

頭を撫でてやると笑顔になる伊佐那海。その笑顔が鎌之介の心を和らげてくれる



「そうか…わし…必要ないのか…」

それだけ言い残して稽古場を立ち去る清海。その姿を見ていた二人は笑う





TO BE NEXT…



2012/03/02


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