You☆are☆fascinate〜5〜


舞が開催される当日、


本来ならば屋敷では舞手の支度を手伝う者が十数名いる筈なのだが


女中すら見当たらない。

奥州から早朝に帰還した佐助は

「まさか」

と思い、鎌之介の自室へ向かった。

「鎌之介、いる?」
「・・・・・」


声をかければいつも返事が返ってくるのに、返ってこない。


もしかしてまだ寝ているのか・・・


そう思ってもう一度声をかけて見る

「鎌之介??」

「・・・・・」


しかし、返事は・・・なかった。


佐助は嫌な予感がして戸へ手をかけて開くと、そこに鎌之介の姿はなく障子が開け放たれているのに気付き、

開け放たれている窓枠へ近寄り外を見上げた


「まさか・・・・もう・・・」


しかし、その外から聞きなれた声を耳にする


「あれ?佐助じゃん、もう任務は終わったのかよ」
「!?」


鎌之介!!・・・と、誰???


下から鎌之介の声がして視線をやると、そこには見知った鎌之介のほかに知らない奴が鎌之介の前にいた

「誰???(怒)我、知らない奴・・・鎌之介、危険・・・離れる!!」


言いきる前に鎌之介の前に立つ男に佐助は問答無用で斬りかかろうとする・・・

が・・・

「ちょ!!佐助待った!!!才蔵は敵じゃないって!!」


才蔵の前に鎌之介が庇うように立ちふさがると、
佐助は驚いて刃を下して鎌之介の前で止まると才蔵をにらみつける


鎌之介に庇われるなんて・・・男のくせに・・・・腹が立つ・・・

怒りを露わにしつつ鎌之介から事情を聞こうと佐助は口を開く

「こいつ・・・鎌之介の何??」

うわっ・・・佐助機嫌悪そう・・・・ってか才蔵もなんかピリピリしてね??


鎌之介はそんな感情は見せずに、気付いてないふりを装う


「そっか、佐助はまだ知らないんだよな。こいつ、俺の用心棒なんだ。な、才蔵?」


「「・・・・・」」


こいつが鎌之介の用心棒???あり得ない。我で十分なはず。

なんだこの緑猿・・・・こいつと仲イイのか??


二人の無言に鎌之介は耐えれず、大きく伸びをして二人から少し離れて様子を見ることにした。



next・・・・・

2012.4/20


あきゅろす。
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