You☆are☆fascinate〜4〜




夕餉を食べ終え、伊佐那海を部屋に連れていき湯浴みへと向かった…

途中、廊下から見える庭先の池を眺め、その水面へ写る月を見つめる



「盗賊…か…男の俺なんか狙っても何もねぇのにな」



結ってある髪を解き、長い髪を自由にさせる…


その姿は男とは思えないほど綺麗な長髪で、女と見間違えるほど美しい顔立ち


「妙なとこだけ母上に似るんだよな…」


俺が10歳の時に病で亡くなった母上。あまり記憶に残ってないが顔立ちがそっくりだとアナに聞かされたのは16歳になった時だった



俺みたいに舞しか出来なかったらしい母上。女として武器を持って戦へは行かないため舞さえ出来れば問題ないはず


しかし、俺が舞以外ダメなのって母上のせいなんじゃねぇのか?と思った時もある





「女として育てられて良かったのかな…剣の形はわかるけど父上に勝てないし…佐助にバカにされるし…ってか最近佐助見てねぇな…いっつも俺が稽古してたら見に来てたのに…」




なんか佐助がいねぇと張り合いがないというか…ストレス?ってーの?それが発散出来ない…
たぶん任務なんだろうけど…
雨春にも触れないし


あれ?なんで俺佐助がいなくて寂しいって思ってんだ!?


「あぁもう!あんな奴しらねぇぇぇ!ムカつく!さっさと湯浴みして寝る!」




ムカムカする脳内を紛らわすかのように頭をガシガシと片手で掻き乱し、留めていた足を動かして湯浴みの場所へ進める






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族の居場所を突き止めるため、佐助はとある城へ侵入していた



ここに入って行った…


攫われた人達を確認と、目的を探る事が今回の任務である。
場内に侵入は成功し、屋根裏へと潜り込むと族の会話が聞こえてきた




「あーあ…俺、金髪美女が本命だと思ったんだけどなぁ…」


妙な口押さえを付けた若い男と…


「えぇー!俺は絶対あの可愛い子が好みなんだけど…」


包帯が目立つ若い男の二人が廊下で話していた




「殿の好みって赤髪の子なんでしょ?なんかどんくさそうな…」

「そうそう!舞はそこそこだって聞いたけど男って噂もあるって…」


「でもさ…」
「ん?」


「美人だよな?」

「確かに………で、明日だよな殿が直々に出向くのは……」


「おぉ!そうそう!三日後に舞の披露があるんだってさ!」


それを耳にして心臓が脈打つのがわかった。何故舞の披露の日取りをこいつらが知っているのか…それは疑問に思うが、今はそれどころではない


族の頭が上田に来る…



天井裏でそれを聞いていた佐助は怒りを押さえ込む事で精一杯で、男二人が去った後直ぐに城から脱出し、伝達用の梟へ文をくくりつけ上田へ飛ばした




「何故…奥州の若君が鎌之介を狙う?わからない…」



奥州…伊達政宗…



沸き上がる怒りを抑えつつ、信州へと急いだ
なんとしてでも伊達政宗を食い止めねばならない…しかし、佐助一人では無理で佐助は幸村へ知らせて守りの強化・披露を止めさせる事


「早く…早く戻らなければ!!」


鎌之介が危ない!




その一心であしの速度を早めた


TO BE NEXT....

2012.03/08


あきゅろす。
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