学校なんて行ける資格は俺にはない
養子の俺には…
愛人の子供を引き取るなんて…何を考えてるのか想像出来た
相続争いの火種にしたいのだと…
そんな事に利用されるくらいなら逆に…俺がこの家の主になってやるぜ
Cinderella*Story
引き取られた家はこの国で最高権力がある「徳川家」
政治力、統括力、権力…
様々な力をもつ家計である家に養子で預けられた「才蔵」
才蔵以外にも何名か養子としてこの「徳川家」へ預けられた子供があと2人いるらしい
「めんどくせぇ…」
相続争いの為だけに愛人を作るとはアホな父親だ…
あんなアホ親父の血が俺にも流れてると考えるだけで虫ずが走る
『コンコン』
ドアをノックする音が聞こえ、小さく『お父様がお呼びです』と執事からそう告げられた
「わかった、すぐに行く」
椅子から立ち上がり、小さく伸びをしてから部屋から出ると執事は小さくお辞儀し案内をしてくれた
正直、父親がどこの部屋にいるのかこのバカでかい屋敷内から探し出すのは体力の無駄だ
しかもタヌキ親父なんて見たくもないが…
一応養ってもらっているため逆らうのは相続権を頂いてからにしてやる…
そう心に決めていた
5分くらい歩いた後、とある部屋の前で執事は足を止めたので才蔵も足を止める
「こちらです。旦那様、才蔵様をお連れ致しました」
執事の言葉の数秒後に「入れ」と中から聞こえてくる
「では…失礼いたします。才蔵様、ここからはお一人でどうぞ。」
「あ、ああ…」
中に入るとシンプルな家具が数個と大きなテーブル、座り心地が良さそうなソファー、2mくらいはありそうな窓が二つ…
その窓の前にタヌキ親父がいた
「才蔵…学校へ通いたいか?」
「…学校?俺が?」
今更……人と馴れ合うのはめんどくせぇ…
「俺は行く気なんか―――」
ない…と言い切る前に父親に遮られてしまう
「学校卒業と共に才蔵へわしの跡継ぎを任せたいのじゃ。他の奴らは役に立たなくてのぅ…」
ハァ…とため息を吐き捨てる父親の姿に才蔵もため息を吐いた
「はぁ…俺をあんたの跡継ぎってのは悪くない話しだな。で、まだ条件があるんだろ?」
良い話には裏がある…
これがこの世の常識だ。 良いように使われて思い通りに動かされるのは俺の性に合わない
「うむ…察しがよいな…学校在学1ヶ月に許婚を探し出して貰う。」
許婚…確か…真田家の一人娘と聞いていたが…
会ったことない…ぞ?
「写真は…」
「ない。わしも見たことはないからなぁ…幸村め…そんなに娘を見せたくないのか…」
タヌキ親父が女と見れば手をだすからに決まってるだろぅが。真田のオッサン、ナイスだぜ
「名前だけわかってんだから楽勝だろ?一週間で見つけだしてやるよ」
余裕だ…と腕を組んで答えてやると親父は満面の笑みを浮かべた
「ほほう…さすが我が息子!期待しておるぞ。転入に関して昌幸に聞くがよい」
それだけ聞いて才蔵は部屋を後にした
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