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「シンジ君何飲んでるの?」

「え、これ、いちごオレ。カヲル君も飲む?かなり甘いけど」

昼休みの屋上で、手に持った飲みかけのいちごオレのパックを軽くかかげてみせるとカヲル君は少し間を開けたあと頷いて。

間接キスだ、とか乙女のような恥じらいを感じる自分にさらに恥ずかしさを覚えながらもカヲル君にそれを差し出す。

彼はそれを手に取って少し躊躇いながらも一口。
あ、なんともいえない複雑な表情。

「口に合わなかったかな?」

「…不思議な味だね」

目をぱちくりさせているカヲル君がなんだか珍しくて思わず笑ってしまった。
普段は大人びている彼もなんだか年相応に見える。

とりあえずパックを返してもらって僕はまた一口。
この甘さがなんだかくせになっちゃってるんだよなあ。

「シンジ君の…口の中も甘いかな?」

「え、ん…っ」

ふわりと笑んだカヲル君の言葉に軽く首を傾げたのもつかの間、唇が触れ合う感触。
視界いっぱいにカヲル君の端正な顔立ち。長い睫毛。白い肌。

唇を開くように舌先で促されれば、僕は容易に招くように開く。
すると舌がすぐに中に割り混んできて、ゆっくりと味わうように口内を蹂躙する。

「っ…はあ」

「ふふ、いちごオレかな、この味」

僅かに互いの唾液に濡れる唇を舌で舐める様に惚けてしまう。なんでもないことのように笑う様にさえ、僕の心臓はうるさい音を立てる。
カヲル君といたら僕の心臓ははたらき過ぎでしんでしまうんじゃないだろうか。

とりあえず、僕は惚けたままこくりと頷いて僕はまたいちごオレに口をつける。

やっぱりカヲル君とのキスは甘い。
溶けてしまうような。
多分いちごオレより甘い甘いキス。

ああ、この甘さが…くせになっちゃってるんだよなあ

*********

いちごオレの飲み物からの妄想。


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