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※一応SAWを見ているという前提です


「あ、あのさカヲル君…」
「何だい?」
「このシーンが終わったら教えて…!」

ちょうど男性がのこぎりで足を切断し始めたところでシンジ君は目と耳を塞いでしまった。

怯える姿も愛らしいね。

それでも見るのをやめないなんて、そういうところがまたかわいい、なんて言ったら君はどんな顔をするだろう。

テレビを見れば普通なら見るに耐えない光景が繰り広げられていて。
僕は別に平気なんだけど。

……。

とんとん、とシンジ君の肩を叩く。
耳は塞いだまま、目だけ開いて怯えがちに僕を見つめる。終わった?と問い掛けるように首を傾げる様に思わず目尻が緩んでしまう。
僕が頷いてみせてもまだ不安そうで。少しだけ耳から手を離して終わった?と聞いてくるシンジ君に再度頷いてみせた。

「もう大丈夫だよ」
「ホント?」
「うん、終わったよ」
「そう、ならよか…?!」

安堵したように息を吐いて耳から手が離れてテレビに視線を戻した瞬間、シンジ君が真っ青になった。

「おおお終わってないじゃないかっ!!酷いよっ」
「ふふ、ごめんごめん」

映画はまだ頑張って足を切断している真っ最中。
目尻に涙すら浮かべているシンジ君が可愛くて仕方ない。その顔が見たかったから、なんて言ったら怒るだろうか。

「なら、終わるまで、こうしてよう?ならきっと、怖くないから」

眉間に皺を寄せて、少し拗ねたような表情のシンジ君を、背中からそっと抱きしめる。
びくりと緊張にシンジ君の体が強張ったのは一瞬で、おずおずとこっちを見上げてきて。
その赤く染まった頬に軽く唇を押し付けた。
さらに赤く染まる様がまた愛らしい。

「あ、あの…カヲル君…」
「うん?」
「…いや、なんでもない」
「そう」

なんとなく、言いたいことは分かるんだけど。あえて気付かないフリをして、テレビに視線を戻すシンジ君を尻目にのぞくうなじにちゅっと唇を押し付け軽く吸いついてみた。

「ぅあ…!」

敏感に反応する様がたまらなくなってぺろりと舐めると小さく上擦った声が上がる。
さすがにシンジ君も黙ってはいなくて軽く僕を睨んできて。

「え、映画に集中…出来ないんだけど」
「そう」
「そ、そう、じゃなくて…っあ」
「怖くないだろう?」
「怖く、ないけど…っ」

答える最中に耳朶を食むとまたびくりと体を震わせた。
そのまま耳裏を舐めると小さく吐息が漏れる。そのまま縁を舌で辿って耳の中をゆっくりと舐める。


「カ、カヲル君…!」
「なんだい?」

もうすっかり感じきった様子なのに、必死に理性を繋ぎ止めようとするのがまた可愛いよね。

「我慢、出来なく…なる、から」
「なら、止めようか…映画、観なきゃね」
「…っ」
「シンジ君?」
「…、カヲル君…たまに意地悪になるよね」
「それは、シンジ君が可愛いからだよ」

むくれる相手に笑いながら告げて、そのまま唇を重ねた。
待ち望んでいたかのように開かれる唇にゆっくり舌を差し込む。

もう、映画の音は耳に入らない。
今は愛しいシンジ君の吐息だけ。


ああ、でも話の終わりが気になるから、あとでもう一回、見ようね、シンジ君。


*************

結局こうなるんだよ的なオチでした。実際に1であった足切断シーンを絶叫ものでした。実際15歳以下は見ちゃいけないんだよ的なツッコミはナシの方向で(笑)

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あきゅろす。
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