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すぐ後ろにシンジ君がいる。
席替えなんて必要な制度なんだろうかなんて考えたりもしたけど、これなら案外席替えも悪くない。

授業を受けながら、
すぐ後ろの君を想う。
君の視線がなんだか心地いい。


「カヲル君」

「ん、なんだい?」

小声の僕にしか聞こえないであろう呼び掛けに、後ろを振り向くと怒られるから、前を向いたまま。
椅子を少しだけ後ろに近付ける。

「このあとのお昼休みだけど」

「うん」

「カヲル君のお弁当も作ってきたんだ…だから屋上で食べよう?」

「ふふ、いいよ…シンジ君のお弁当楽しみだな」

後ろでシンジ君の笑う気配。きっとうれしそうな顔をしているに違いない。
そして僕も。

小さな声で、二人だけの秘密を持つように。

あえて話すこの背中越しの会話が、

案外楽しいものだというのも

席替えで得たものの一つ。
些細な、
けど、とても幸せな

一時。


*************

漫画にしなかったネタの一つです。
小さなことも二人にとっては全て幸せだといいなあ


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