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ゆめうつつ3



銀さんに舌入りのキスをされて、帰るのもわざとらしく感じたのでソファで眠れぬ一晩を過ごした。
一晩中銀さんの舌の感触が猛烈に消えず、全く眠気がやってこずに困った。

泊まった日の朝飯は僕が大概作っていたのだが、今日は珍しく銀さんは早起きをしてソファで横になる僕に声を掛けやがった。

「おはようさん」
「…おはようございます」

とりあえず返すと、銀さんはトイレを済ませてから台所で朝飯を作りだした様だ。
困ってしまった。
自分が朝飯を作って皆を叩き起こせば、その勢いでいつも通りに銀さんと接する予定を寝れない間に考えていたのに。
自分もトイレを済ますと、テレビをつけながら新聞を念入りに読む事にした。
その内に朝飯の匂いに神楽ちゃんが起きてきて3人が揃う。助かった。
その日はありがたい事に午前から依頼が入ってきて、神楽ちゃんをワンクッションにしたり、3人で話したので銀さんと面と向かい合わずに済んだ。

だが、どうやら一晩寒い中で毛布1枚で夜を明かしたのがマズかったらしい。
夕方からは体調を崩してしまった。

依頼を済ませてから帰って直ぐに暖かくして寝たにも関わらず、朝から熱が出てしまった。
珍しく8度も。
夕方までは姉上が看病してくれたのだが、すまいるの人数が足らずに休めない、という事で夕方からは銀さんと神楽ちゃんが看病に来てくれる事となった。

銀さんとは顔を合わせたくないんだけどなあ。

久しぶりの風邪で対応の仕方が分からない戸惑い、銀さんと顔を合わせなければならない戸惑い。
ダブルパンチで更に熱が上がる気がした。

痰が喉の奥に絡まって辛い。
それを出す元気もない。
ぜぇぜぇと酷く病人らしい呼吸。
神楽ちゃんが珍しく心配そうに僕の顔を覗いてる。

「銀さん…神楽ちゃん…うつるよ…帰って…」
「神楽。氷のう新しくしてやってこい」
「うん、分かったアル」

神楽ちゃんが氷のうを持っていって出ていった。

「…げほ」

痰が酷くからむ咳をするも、なかなか出せない。

「………。」

咳き込んで数瞬。
銀さんの顔がいきなり近付いた。
唇に指を少し入れられ薄く口を開かされ、唇が合わさる。

「…ぅ」

―――ちゅう。

銀さんが喉に絡まる痰を吸い出している。
そのまま痰は銀さんの口に流れていき、銀さんの顔が離れて痰はティッシュに吐き出された。
ものの、5秒だった。

それから直ぐに神楽ちゃんが戻ってきて、氷のうを僕の頭に勇んで乗せるが、氷しか入っていないらしくて角が痛い。

「おい、氷だけじゃ痛ぇだろうが」
「新八は男の子だから、これ位ワイルドが丁度ネ」
「水入れんの面倒くさがってんじゃねぇよ。…水の代わりにオレの小便でも入れるか」
「…やめてください、やめてください」




風邪が治ってから、銀さんの唇を借りるという行為は止まるどころか、お酒を飲んでない銀さんにもキスをするまでにエスカレートした。
銀さんがノれば舌が入ってくるし、僕の気がノれば舌を入れる。
お互いノれば、直ぐに舌が絡む。
さすがに僕は勃起してしまうけど、それ以上はやっぱり求めていない。
でも銀さんの隣で寝る様にすらなったけど。
銀さんも咎めない。


これ以上は調子に乗るのかは分からないけれど。


20071205
銀新銀なのか新銀新なのかは読み手様に最終判断は任せるしかない小説となってしまいました。
でも書きたいもん書いたから良しとする。
次回課題、銀さんと新八の性的な絡み(空身)。


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