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未知との遭遇



何かムラムラしていた勢いで坂本てヤッてしまった。
ただムラムラしていただけで、坂本がどうとかじゃねぇ。
ムラムラしていただけだ。
因みにオレが下で頑張った。

しかし2ラウンド有ったというのに坂本はイかなかった、というか1度も射精しなかった。
ズコズコする行為自体は物凄く気持ち良くはあるらしいが、射精にまでは至らない事が多く有るらしい。

「…インポなんかのぅ」と困った笑みで告げる坂本に

「んな事もねぇだろ」としか言えなかった。

オレもオレで突っ込まれる形でのセックスは久しぶりで、インサート開始10分は慣れず(前後でのオナニーは定期的にしてたが)、2ラウンド目にしてイけた程度だ。
(ローションが無いと無理だけど。)

しかし、こんなに気遣えるのか、という具合に後の対応が良かった。
ちょっとでも落ち込もうものなら坂本はいちいち構ってきた。
元からオレにはやたらと構っていたが、輪を掛けて構ってくる。
オレが元気モリモリでも構ってきた。
色々前後はあれど、ぶん殴ると更に大喜びで構ってきた。

とにもかくにも構う坂本にウザさを感じつつも、悪い気はしなくなってきた。
慣れなのか。
構ってこない時は「?」と頭に浮かぶ位になってしまった。

それが最近まで。

だが、何気ない会話で出た言葉にオレの胃は一気に胃酸を放出。

「金時、おんしは最強の友達じゃのう」
「…ああ、うん」

その言葉を聞いた瞬間。
オレは直ぐにでも泣きたかった。
それも大声で。
人目もはばからず、大声で号泣したかった。

「あっちの相性も意外に悪くは無かったしなぁ、」

だけどオレは精一杯強がり、夜の風呂まで我慢した。

「お前ぇとは腐れ縁になるだろうな、」

思い切り泣ける場なのに、いざとなると声を出すのが許せず湯に顔を埋めてゴボゴボさせながら誤魔化した。

「時々ムラムラのタイミングが合えばさ、」

自分にすら強がってどうするんだ。
しかし涙を頬に流すのだけは嫌だった。
オレの目が赤くなったのは湯でしつこく洗ったからだ。

「またも良いんじゃねぇか、」

泣いたからじゃない。
目を洗ったからだ。
しつこく洗ったからだ。
オレは念入りなんだ。

「…する事は嫌いじゃねぇし、それで関係がごちゃごちゃする仲でも無いだろ」

知らずにオレは坂本へ恋に似た感情を持っていたらしい。

「そう言ってくれる金時、おんしが大好きじゃ」

「キメぇ」



20090421

この2人には何も言えません。


あきゅろす。
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