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千週一日


坂本の現在のトレードマークの1つ。
赤いスカーフ。
これをビニールの密閉出来る袋に入れてある。
前に会った時に坂本が忘れたものだ。
それを、わざわざビニールの密閉出来る袋に入れて保存してある。
自分の事ながら最高に気持ちの悪い行動だ。
ビニールの袋から取り出す。
ふわり、と匂いが鼻をかすめる。
何てことない香水の匂いだ。
直ぐ様スカーフに顔を埋める。
匂いが猛烈に鼻に入ってくる。
いい匂い。

本当に寂しくて堪らない時。
2〜3ヶ月に1度の頻度。

坂本の忘れたスカーフの匂いを嗅ぐ。

その瞬間。
会いたい。
大好き。
この2つで頭が埋まる。
今、この会いたい瞬間が会ってる時、キスしてる時、セックスしてる時、手を繋いで寝てる時、どんな時よりも、坂本の事が好きなのだと思う。

前に会ったのは、いつだっただろうか。
焦がれども、焦がれども。
坂本はやって来ない。

いつでも連絡出来るように、と宇宙からでも繋がるという、持っていた携帯電話をオレに寄越そうとした。
オレは受け取らなかった。
何故かと言うと、アイツも寂しがれば良いと思ったからだ。
そうしたら会いに来るだろ、と考えたが、さっぱりだった。
悔しい。
だからオレはもっと強がる。
自分の変なプライドが会いたい気持ちを邪魔をする。
悔しい。
素直になったら負けだ。
でも寂しい。

「会いたい」

言いたいが言えない。
悔しい。
こんなに今、会いたいのに。


20080918


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