弱男
「駄目だよ、一応オレ嫁さんの事まだ大好きなんだし」
「時々の寂しさを埋めるすき間産業的なもので良いよ、オレとは」
銀さんに好きかもしんねぇ、と真面目に言われてこう返されて返答に困った。
「少なくとも適当な女とごちゃごちゃするより返って楽なんじゃない?オレは男だし」
数ヵ月前、バイト先の飲み会の後に「ピル飲むし、何より安全日だから生でしましょ」と若い女に言われ、酒を飲んでいた事と、何より寂しさで事に及んでしまった。
それを悩んでいて銀さんに何もかも言って相談していた。
「オレでもヤッちまうよ。んな事で長谷川さんを嫌わねぇさ。逆に良かったじゃん、その歳で若い姉ちゃんとできて」
この言葉に救われ、それ以来銀さんとはマメに飲んでいる。
(結局大丈夫だったが、今は自衛に努めている)
そのせいか何なのか、銀さんには酷く気を置けない。
「…ごめん、考えさせて」
「オレとは真面目にするもんじゃないでしょ、長谷川さん奥さん居るし」
「いや、でも」
「どうすんの。長谷川さんが考えてる間、オレも寂しいだろうから他に見付けるよ」
「………」
銀さんの口が上手いのか自分が流され易いのか、結局そういう関係になってしまった。
あっちの方は最初、銀さんが受け身となってくれた。
しかし、銀さんも男と言うかオスだったらしくてこうなってしまった
「だめだめだめ!オッサンの尻なんか掘っても楽しくないよ!」
「長谷川さん、オレのおケツほじくり回して楽しそうにしてるじゃない。それと同じ気持ちになりたいの、オレは」
「………」
分からないでも無くて了解してしまった。
それからはお互い気分で上と下を変えてた。
Mな自分が下になりがちだったけれど。