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「ほら、花が有るだけでくさいくさいの部屋が明るくなりやしたよ」
机に置かれたコップに挿した彼岸花を指差しながら総悟は言ったが、花を気持悪く思っている自分にはどうもその感覚が理解出来なかった。
「でもこの花は火事を呼ぶと言われてるんだよ」
「じゃあタバコの後始末に気を付けれるでしょ」
その言葉に根性が捻れてるとこんな感じ方が出来るものか、と一緒沈黙する程に関心してしまった。
「たまに水替えして下せぇよ」
「…枯れない内は気をつける」
そう言って総悟は満足そうに部屋を出て行った。
「………」
総悟が出て行き彼岸花を改めて見る。
真っ赤だ。
確かに火事を引き寄せそうだ。
しかし、総悟の言葉のせいか花に対する気持悪さが先程よりも薄くなっている。

そんな自分に気付き驚く。

20年近く持っていた花に対する嫌悪が無くなる事は無いだろうが、勝手に少し総悟を見直した。
後書(言い訳)




あきゅろす。
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