大学一年の頃、ボロボロの学生寮の隣の部屋にEという奴がいた。
四国の山奥から出てきた、身長185センチ体重85キロ、村の相撲大会で無敵を誇った男だったが、中学から一番近くの町にある全寮制の男子校に放り込まれ、親族以外の女性と話すと顔が真っ赤になってしまうかわいい奴でもあった。
そんなEがある日、BMWに吹っ飛ばされて右手と右足骨折の大けがをした。
運転していたのはお金持ちのおばさんで、後で状況を聞いたらEじゃなきゃ死んでたんじゃね?という感じだった。
おばさんはもう半泣きで、連絡を受けて上京してきたEの両親に、ご主人と2人でもう土下座して謝っていた。
「こいつは末っ子だし男ももうぎょうさんおるし死なんかったら別に・・」
と両親ともまったく気にしてないのはさすがに俺もびびった。
こちらでのホテル代も食事代も全て持ちますので、という金持ち夫婦の申し出も、
「ヤギとニワトリの世話がある」という理由で早々に四国に帰ってしまった。
一回目の手術後、病院に見舞いに行くと、大部屋にEの姿がない。
ナースセンターに言って「すいませんEの部屋は・・」と聞くと、そこに居た数人の看護婦さんが一斉に振り返り、お友達?と何やらニヤニヤしながら、個室に移ったわよ、と教えてくれた。
俺は看護婦さんのニヤニヤの原因を想像して.....続きはこちら→
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