赤い糸が指先で絡まっているなんて、本当だろうか。 それが運命の相手だというなら、運命なんて信じない。 そんな迷信があるから、オレはこうして悩む羽目になるのだから。 こうして二人に会うと、本当に恨めしく思う。 二人とは、兄貴である涼太と、その彼女の事を指す。 恨めしいさ。 だって迷信が本当なら、この二人の指先には同じ赤い糸が絡み付いているから。 狡い。 そう言ったって仕方ない。 出会ってしまったものは仕方ない。 そしてそれが涼太の方が先だったのだ。 それだけだ。 運命は、先に巡るように出来ていたんだ。 「桂太。この間発表した新作、すげー評判なんだってな!」 「ああ、なんだその事」 「なんだ、って…嬉しい事じゃん。あれ、何てタイトルなんだ?」 新作。 つい最近出したばかりの作品は、オレにしたら珍しい作風だった。 キャンバス一面白の作品。 白い絵には、まるで嵌め込まれた手首。 左右対照に描かれた手には、真っ赤な―――、 「あか」 まるで二人の指に絡み付いたそれと同じ。 真っ赤な糸。 (俺の指に絡んだそれは、彼女には絡まない。) あか >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> こうして絵にして、少しでも想いを昇華できるなら。 オレは運命の相手じゃないけれど、 桂太。 もう書かないだろうなーと考えていたのに、何故か書いてしまった代物。 双子×主人公が好きなものでしかたない← [グループ][ナビ] [HPリング] [管理] |