ある晴れた日。
『あ、カストル居たっ!良いお花が手には入ったんだ。一緒にお茶しよう?』
『…ラブ、いつもありがとうございます。』
晴れた日は庭で、定時になるとラブラドールがハーブティーを淹れて来てくれる。
『はい、今日はお花の砂糖漬けもあるよ。』
カチャカチャと小さな音をたてながら、手際良くティーセットとお菓子を用意してくれる。
ラブと二人きりでこんな風に時間を過ごすのは、今ではほぼ毎日日課の様になりつつある。
――あっ!カストルまた部屋に籠もりっぱなしで!!
――せっかくこんなに天気が良いんだからさ、庭に出てみなよ。気持ち良いよ?
――はい、お茶。僕が淹れたんだよ。
――これからたまには庭でお茶しようね。閉じこもってばかりじゃ腐っちゃうよ!
まだ教会に来たばかりで、周りの人ともさほど打ち解けずに、部屋に籠もって人形作りに明け暮れていた頃ー…
『……トルっ!!』
ラブラドールが、私を外へと連れ出してくれた。
『カストルっ!?』
外の世界がこんなにも眩しいと、久しぶりに気づかされた。
『カストルってば!!』
『っ…!?』
『もう!先からずっと呼んでたんだよ?』
『ああ…、すみません。』
『ぼーっとしてたよ?』
『思い出していたんですよ。』
『?』
貴方と出会ったあの日の事を。
それは私にとって、忘れる事の出来ない日。
『今日の様に良い天気でした。』
『……良かった。』
『え?』
『ちゃんとカストルが居る。』
意味が解らずに視線を向けると、ラブラドールは口を尖らせてそっぽを向いた。
『だって、急に居なくなっちゃうんじゃないかって、不安なんだ。』
『………』
『カストルは自分の事大切にしないから………』
『それは、』
言い掛けた言葉が重なる。
『ダメっ!!カストルが居なくなるのは嫌だ。』
『ラブ……』
『って…、僕が思ってるって解って。』
ああ、何て馬鹿だったのでしょう。
私がここに居る、自分を失いたくない理由なら、とっくに見つけていたと言うのに。
『……解りました。ごめんなさい、ラブ。』
『うんっ……!』
そう頷いたラブラドールの目は心なしか潤んでいて。
言っても絶対に認めないだろうから黙っていたけれど。
『カストル、明日もこの場所でね。』
『……はい。』
願ってはいけない、相応しくないのかも知れないけれど。
ー…願わくば、この一時でも平和な時間が永久に続きますように。
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まずカスラブ…になってるでしょうか。。
カストルが教会に来た頃って、あの事件の事とかもあってあんまり今の穏やかな感じではなかったのかなぁーとか勝手に妄想して書きました。
完全なる妄想話ですねーΣ(≧□≦;)
あと、個人的にどーしてもG巻のカスラブの萌え要素を入れたかったんです;;笑
カスラブはほのぼのもシリアスも良いと思います(○´Д`○)
キリリクで小説は初めてだったのですが、こんな拙い文章ですいません(´・ω・`)
楓様、リクありがとうございました。
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