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喋る間もなく、ラブラドールはあっと言う間にバスルームへ連れて行かれてしまった。





ー…もちろん嫌ではないのだけれど。


只、何故カストルが自分の部屋で、しかも自分と一緒にお風呂に入ると言い出したのか全く解らずにいた。



『あのっ、カストル?!』

『ー…これを、湯船に浮かべれば良いんですよね?』

『う、うん…。』




たくさんの薔薇の花びらを湯船に浮かべると、鮮やかな紅が広がった。

同時に薔薇の香りがバスルーム全体に広がる。


それがなんとも心地よく、疲れた体を解してくれそうだった。


『なるほど……これは気持ちよくて眠ってしまいそうですね。』

『う…ん、なんかまた眠くなってきた……』

『だからと言って、風呂場で寝ては駄目ですよ?』

『ふぁい……』


暫く二人は黙って湯船の温かさと、薔薇の香りの心地よさに浸っていた。

それは、まさに疲れなんて吹き飛んでいくかの様で。




『あっ!!!!』


突然ラブラドールが我に返ったかのような声を上げた。


『どうしました?』

『カストル、どうして一緒にお風呂に入ろうって言い出したの!?』



するとカストルはふっ、と微笑ってみせた。



『…ここのところ私が疲れていたのはご存じでしょう?』

『うん。だからこの花びらをカストルに……』

『でもねラブ、貴方だって相当疲れているでしょう?』

『えっ…?!』

『私が気づいてないとでも思いましたか?』

『うっ…』


ばつが悪そうにラブラドールは反対側を向いてしまう。


『貴方だって私と同じぐらいそういうのを隠して平気なフリをするじゃないですか。』

『だって……』


『だから私は一緒に入ろうと言ったんですよ。』




『これからは、お互い変な気遣いはやめにしましょう。つらい時はつらいと、疲れた時は疲れたと素直に言ったって良いじゃないですか。』


『うん…』


先ほどまで反対側を向いていたラブラドールは、もうすっかりカストルの前に向き直っていた。


『もっと私を頼って下さい。』

『…それはカストルも同じっ!!』



お互い顔を見合わせると、目が合って笑った。


さっきまでの疲れはすっかりなくなり、優しいが故、お互いを大切にするが故の変な気の遣い合いもこれからはなくなるだろう。



『ラブ……』

『…………』

『…ラブラドール?』

『…ーんぅ…かす、とる……』






『起きて下さい!!!ラブラドールっ!!!』

『〜〜〜…ぅぅん……』


『全く、貴方って人は…』



はぁ、と溜め息をつきながらも、カストルは愛しいその人を抱き抱えて、もう少しだけこの幸せに浸る事にした。



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なんかラブたんが乙女ちっくですね。。

友達に苺のバスセットを貰った時に思いついた話です(*´∀`*)笑


この二人は優しいし、お互い大切にしてるんで基本的にちょっとの事は我慢しそう。

カストルだけに本音を言うってのも萌えますが(●´ω`●)笑


あきゅろす。
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