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いつもお世話になっている『すいか記念日』の和さんより、以前お贈りしたフリリクのお礼にと私のイラストを元にして書かれたお話を3本も頂戴いたしました〜ありがとうございます…!
皆さんもどうぞイラストと併せてご覧くださいませ〜 apricotton 框

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《テディベアの日》




「井上、この白玉は美味しいな。」
「うふふ、このお酒もイケるわぁ〜。」
「良かった!浦原さんがね、今日の為に用意してくれたんだよ。」



今夜は、朽木さんと乱菊さんが久しぶりにウチに泊まりに来てくれた。

そのことを浦原さんに話したら、「でしたら、こちらをどうぞ〜」って、わざわざ沢山の差し入れをしてくれて。
みんなの好物だけじゃなく、3人分のパジャマまで用意してくれたの。

だから今夜は、3人でお揃いのパジャマに着替えて、パジャマパーティー開催なのです。

「でも、朽木さんも乱菊さんもいいの?恋次くんや市丸さんは?」
「オトコは偶には放っておくぐらいが丁度いいのよ、織姫。」
「そうだぞ井上。そもそも私達は幼なじみで、子供の頃からずっと一緒だったのだ。今更、そう過干渉になる必要もない。」
「幼なじみ…かぁ。いいなぁ。私、黒崎くんと知り合ったのは高校生だし…あ、出会ったのは中学生なんだけどね?」
「気にするな、井上。これから先、一護とずっと一緒にいるのだろう?」
「そうよ〜。それこそ、現世で天寿を全うした後は、2人で一緒に死神になるに決まってるんだから〜。」
「そ、そうかな?だといいな…。」
「全く、つくづく一護に井上は勿体ない。井上、一体一護のどこがいいのだ?」
「え、え〜///?じゃあ、私が黒崎くんの好きなところ10個話したら、朽木さんと乱菊さんも彼の好きなところを10個話してね!」
「あはは、いいわよ〜ん。ま、酒の勢いってことにしとくから♪」
「む…し、仕方ない。だが、恋次には内緒だぞ?」
「勿論だよ!朽木さんも、今から話すこと黒崎くんには内緒にしててね。」




(…俺ら、ここにいるんですけど…)






浦原さんからの差し入れは、3人娘の好物とパジャマと、そして3体のテディベア。
それぞれの彼氏入り。



(ちょ…井上、そんなぎゅうってしたら…特盛が…///)
(ぐえ…ルキア、照れ隠しとは言え、あんまり絞めんな…苦しい…)
(あはは、やっぱり乱菊の飲みっぷりは豪快やな〜)



夜は長い。








《キスの日》



何で、こうなったんだろう。

「く、ろさきくん…?」

ついさっき、井上と「また明日な」って別れたときには、こんな未来、欠片も想像していなかったのに。

俺がズボンのポケットに手を突っ込めば、井上から借りたハンカチ。

まだ井上のマンションから500メートルぐらいしか離れてないし、返しに行くか…そう考えて踵を返し、軽い気持ちで井上の部屋を訪れた。

玄関のドアをノックしても、無反応。
ノブを回せば、ゆっくりと開くドアに、また鍵が掛かってねぇぞ…そんな言葉を脳内に巡らせながら扉を開けば。

「え…?」

視界に飛び込んできたのは、制服から私服に着替えようとしたのか、制服のブラウスのボタンを上から3つほど外し、白い肩を露わにした井上。

…刹那、何もかもぶっ飛んだ。

真っ白になる思考…なのに、井上に向かって勝手に伸びる、俺の手。

「く、ろさきくん…?……っ!?」

爆発的に上がる体温、鼓動。
…驚き、戸惑う井上を捕らえる。

「あ………。」

俺がぐっと引き寄せれば、井上の桃色の唇から漏れる、小さな小さな、声。
それすらも、俺の雄の本能の火に、油を注いで。

「井上…。」
「く、ろさきく…。」

ああ、こんななのか。

こんなに突然に、自分でも制御できないほどに膨らんで、溢れ出すものなのか。

…惚れた女を欲する感情、というものは。

ああ、こんな風に訪れるものなのか。

…俺と井上が、体温を同じくする瞬間は。

「…ごめん。俺…オマエが、今すぐ全部欲しい。」
「………っ…!」

井上の華奢な身体を抱きしめて、細い顎に手をかける。

…もう、きっと戻れない。

(俺ですら知らなかった「俺」を目覚めさせるほどに眩しすぎた、制服より白い白が、オレンジに染まる)





《おにろり》



「くろしゃきくん?」

詳しい説明はめんどくせぇから省くけど。
とにかく、色々あって。
浦原さんが、ごにょごにょしてたら。

「ねぇ、くろしゃきく〜ん。」

…井上が、縮んだ。

「井上、『くろさき』だ。」
「うん、くろしゃきくん!」
「………。」
「一護、鼻の下のびてる。」
「ば、伸びてねぇよ!」

たつきの突っ込みに、慌ててそう言い返して。
にぱっ…と無邪気な笑顔を見せる井上を抱き上げる。
…ま、まぁ、こんなチビじゃ一人暮らしのアパートに帰ったって困るだろうしな?

「一護、手ぇ出すんじゃないわよ!」
「出すか、ボケ!」

再び俺をからかうたつきを睨み付け…けれど何となく感じるこの気まずさは何なんだ?

あれだ、違うんだ!
別にチビ井上はたつきに託したっていいんだが、たつきの家族への説明が面倒だろうから、俺が連れて帰る…って、それだけの話だ!

間違っても下心とか1ミリもねぇから!

「ね、くろしゃきくん?」
「あ?何だよ井上。」
「あたし、ちっちゃくなったけど、ちゃんとくろしゃきくんをまもれるからね?」
「オマエ、今はガキなんだから無理すんなよ。」
「むりじゃないよ!ちゃんと、しゃんてんけっちゅ…しゃ、しゃんて…とか、しょーてんき、きちゅんとか…っ!」
「…言えてねぇし。」
「い、言えるもん!しゃんてんけっちゅ…いたっ!」
「井上、どうした!」
「うえぇ、したかんじゃった〜!」
「………。」
「一護、鼻血鼻血。」
「だから出てねぇよ、たつき!」

ああもう畜生!

俺はこのクソ可愛い…じゃなかった、クソ小さい井上に、どんな顔すりゃいいんだ…?



「じゃあ、あとよろしくね、一護〜!」
「たつきちゃん、ばいばーい!」
「…ちぇ。じゃあ行くぞ、井上。」
「うん!あのね、くろしゃきくん。」
「おう、何だ?」
「えへへ…だいしゅき。」
「………っ!!!」



(泣いても笑っても可愛すぎる、無自覚天使の攻撃は続く)




おしまいです!

お粗末様でした!m(_ _)m

和(なごみ)

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