believe論争
ジェームズとシリウスの場合



友人を探してたどり着いた図書室で、物思いに耽っている友人…ジェームズを見つけた。
「おいジェームズ。」
呼んでみても少年は空ろな目で机の上の書物を見続けている。
仕方なくシリウスは少年のそばまでよりその肩をゆさぶった。
「おいジェームズ!お前は俺を飢え死させるつもりか!」
「…そんなつもりはないんだが。」
とまた空ろな声でつぶやく。彼らしくないその様子に訝しげに眉を寄せたシリウスはジェームズの読んでいる本に目を落とす。
「…辞書?お前でも解らない言葉があったのか?」
「believe…」
「はぁ?」
「believeの中にlieって文字が入ってるんだ。嘘って字がさ。be‐lie‐ve…。」
ほらね、とジェームズは手元の羽ペンで字を綴ってみせた。
「…それがどうした!それが飢え死の理由だったら俺は泣くぞ!」
「じゃあ泣いてくれ。…嘘だよ。嘘だからそんなトロールみたいな顔しないでくれ。ハンサムが台無しだ。」
ふーとジェームズは溜め息をついた。
「意味は無きにしも非ず…ひどい皮肉だと思ってね。」
「…つまり信じることは馬鹿らしいと言うことだろう。」
「うん…この提言に関して君は如何お思いかなパットフッド。」
「ひどくナンセンスだ。」
シリウスはきっぱりと言った。
「その提言が格言化されたら世界は間違いなくスネイプだらけになる!みんな髪が油だらけになる!水道会社が信じられなくて頭が洗えなくなるからだ!」
ジェームズは呆気にとられた顔でシリウスを見た。
そして突然体を机の上に突っ伏して笑い始めた。
「…何がおかしいのかご説明いただこうかポッター殿。」
「いやいや。僕は君のそうゆう所が堪らなく好きだと再確認しただけだよ。」
「でわ兄弟。いざいかんディナーへ。俺餓死だけはいやなんだ。」

本を戻し呪文をかけて振り返ったジェームズ・ポッターはなにかふっきれた様にして笑っていた。




前に日記に上げたジェームズとシリウスの話し。





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