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私は、人間の皮を被った化物です。


人と同じ様に生まれ、人と同じ様に生きています。
学校に行き、友人を作り、勉強をし、食事を摂る。
端から見ればそれは紛れもない「人間」です。
けれど私は、普通の人の様には生きられなかった。

嘘を吐く事が、私の生き方でした。

それは、なければ生きられなくて、けれど下手だから、すぐにバレてしまう。
滑稽な私は、蹴られど殴られど、喩え首を絞められるような事をされても、それでも嘘を吐く事を止めず此処まで生きてしまった。
きっと真実を言った回数よりも嘘を吐いた回数の方が多いのだろうと思う。
けれど、どうする事も出来ない。
嘘を吐くしか生き方が分からない。

私という化物は、きっとこの先、死ぬまでずっと、嘘を吐き続けてしまうだろう。
弱いから、寂しいから、嘘を吐き人を狂わせる。


私は凶器なのです。
言葉で自分を殺し、その勢いで信頼を殺す、凶器なのです。


だがそうと分かっていても、私には死ぬ能力がない。
自殺にしろ何にしろ、私には迷惑を掛けないで死ぬというやり方がわからないのです。


私は、惨めで弱くて寂しい人間の皮を被った化物です。
人と同じ様に生まれ、同じ様に生き、同じ様に学校に行き、同じ様に友人を作り、同じ様に勉強をし、同じ様に食事を摂った。

ならば次は、人間と同じ様に死んでいきたい、と、そう思うのです。


人間と偽り生きていく事が、私のやり方なのです。



どうか、私が此処の扉を閉めるまで、きっとそう長くはないかも知れませんが、
どうか、どうか、お付き合いください。
それまでに私が人間に近付くか、近付けなければそこでおしまいですが
人間に近付けた時は、昔話でもしてやってください。

それだけが、私の真実ですから。





あきゅろす。
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