後悔をした、なんてのは、今までで数える程しかない。
それもオレが常に自分に出来る最上の事しかしないからであって。
決してお気楽に生きていたからじゃない。
自分の選択にゴチャゴチャと言い訳するのも嫌だった。
自分で選んだのだから、言い訳するのに意味はないと思っている。
ただ、目の前にある現実には、後悔をしていた。
「…オレ、辞めるんですよ。もうちゃんとしようと思って」
「涼」
「写真家、目指します。竜崎さんにはスゲー世話になったから、報告しようって、彼女と」
何を言う必要がある。
これがオレが望んでいた結果じゃないか。
二人が幸せになる。
それ以外に何を望む必要があった。
開けた涼のロッカーには、殆ど私物が入っていない。
それが、彼の未来を暗示しているようにも思えた。
そうだ、涼はもうこの場を思い出にしてしまおうとしているんだ。
(そして去っていこうっていうのか。)
「そっか。…頑張れよ!」
「うわっ、いてぇなぁ!竜崎さん、手加減してくださいよー」
「悪い、悪い。良いじゃねぇか、オレからの餞別だ」
思いっきり叩いた背中を押さえながら、涼は笑う。
それを見て、つられるように笑った。
言う事は一つだ。
それ以外の言葉は意味を成さないんだろう。
オレに今出来る、最上の笑顔でそれを告げた。
「おめでとう、涼」
(その未来で、お前が幸せであるように。)
残された感情は。
おいてきぼりを喰らったオレの感情は。
燻ったまま、残しておこう。
その感情の名前は、
Perhaps, it is love.
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
好きだと言うには、未熟な感情だったんだ。
ほんのりびーえるだったので、コッチに収録。
竜崎と涼の言い合うイベントにキュンとしました。
涼ルートの言い合うイベントは、何かストーカーみたいな涼ですよね←
Perhaps, it is love.(恐らく、恋である)
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