キミの存在がそもそも力。 なにすりゃいいってんだ、俺は。 それとも俺をからかってんのか? キミの存在がそもそも力。 「……ねーねーっ、聞いてんのー!?」 聞いてない。 「ねーねーっ、もしかして寝ちゃってる?」 今すぐにでも寝たいが、五月蝿くて眠れやしない。 「聞いてんの!? 寝てんの!? それともシカトしてんの!? どれっ」 間違いなく三番目ですごめんなさい、お休み。 「……アンタん家の飴玉全部食べてやる……」 いや意味わかんねえよ。そもそもうちに飴玉はない。 「諦めろ」 「あー喋った! 喋ったっ!」 ……迂闊というか何と言うか。墓穴? 「ちったあ黙る気は無いのか……」 完全にあきれてきた。 ま、いいけど。 そもそもこれ言ったってどうにもならないの位解ってるし。 伊達に十六年間も幼馴染やってないし。 「はは、ないよーう。それに、どうせどうにもならないのくらい解ってんでしょ? そっちこそ、諦めなさい!」 お前はどこぞの女王様か。 「へへ、何か知らないけど、もっとちゃんと笑ってね。じゃないと面白くないから」 ……はいはい。 ったく、本当にこいつは…… んなこと言わなくても、お前がいりゃ自然に笑っちまうよ。 たいてい苦笑だけどな。 ……だけど、キミの存在が、そもそも俺の力なんだ。 END back [グループ][ナビ] [HPリング] [管理] |