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「あっ、あ……!」
脳髄まで蕩けさせられて、もはや自分身に何が起こっているのか、それすらもよくわからない。
後ろから顎をつかまれ、後ろを向かされる。古泉が、俺の肩に顎を乗せて顔を覗き込んできた。
「どうですか?きもちいいでしょう?」
「……んっ、くぅっ」
なけなしの理性を総動員して、肯定の返事を漏らしそうだった唇を噛み締める。
そんな俺の顔を至近距離から眺めながら、古泉が口元を歪ませた。まるで、完全優位に位置する自分の立場に酔っているかのように。
こいつと目を合わせていたくなくて、俺は硬く目を閉じた。目元に溜まっていた液体が、一筋の線を作って頬を伝い流れる。
「……っ……」
顎を掴まれたまま、唇を舐められ、そのまま口付けられた。優しく、愛しむように。
俺が全く抵抗できないから、余裕でもできてきたのか。それとも、ここまでしておいて突然の趣旨変更か。
ちゅ、ちゅと啄ばむように唇を吸う。一度に全体を吸い付くのではなく、上唇を優しく唇で挟んで、前歯を舐める。
もっと、無理に噛み付いてくれればいい。今更優しくなんてされたくない。
壊れ物でも扱うような仕草に、戸惑いを感じてしまう。こいつは状況を利用して俺に酷いことをしようとしている、変質者なのに。
こんな風に大切に扱ってもらえるのなら、こういうことも、悪くはないかも、なんて……。
「んっ……ふぁ…………あ、ひっ!?」
陰茎を握る手が、激しく幹を扱き出す。
先ほどの口付けとは打って変わって、乱暴に。
「ぅあ、あっ、ぐぅ、ぅぅぅっ……!」
横を向かされ、上唇を優しく舐められながら、俺は歯を噛み締める。
しかし、嫌でも快感を感じてしまう貪欲な俺の身体は、自身の意思には反して高みへと上り詰めていく。
「で、で、るっ……も、はなっぁ……!」
また、こいつのまえで射精するのは嫌だ。一度ならず二度までも、こんな男の手の中で達してしまうだなんて、冗談じゃない。
だが、そんなちっぽけな自尊心なんて、何の役にも立たない。
必死に口にした言葉も、古泉には伝わらないだろう。
「う"あ、あああっ……――ッ!!」
握られている陰部に熱が走って、体内を何かが駆け巡る。
陰茎を通る管に熱い迸りを感じ、目を瞑って次に来るだろう欲望の放出に耐えようとした。
「……ぅ、あっ?…ぐぅ、ううっ……」
しかし、何も出なかった。
まるで、管の途中にしこりでもできてしまったかのように、陰茎から放出されようとしていた熱い体液が、突然塞き止められる。
「あ、っあッ……!」
流れ出ようとしたものが、行き先を塞がれ体内に逆流してくる。下肢に溜まった熱が、行き場を失って彷徨う。
ふ、と古泉が俺の耳元で息を吐いて笑った。
「本当に、僕の許可が無いとイケなくなっちゃったみたいですね。辛いですか?それとも、こんな焦らしプレイでも感じてしまいますか?」
辛いに決まっている、こんなの。
自分の生理現象を、他人の意思で勝手に止められているんだ。普通の人間ならば、こんなこと一生のうちで一度だって経験しないだろう。






あきゅろす。
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