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「…あぅ、うっ…っくそ!」
最悪だ、最悪だ!あのド変態が!
頭の中で古泉に対する罵詈讒謗を並べ立てるも、状況が良くなるわけではない。
力いっぱいシーツを掴んで、なんとかそちらへと気を紛らわせようとする。しかし、後ろから規則正しく与えられる微小な快感が、俺を誘う。
「う、くぅ…ふぁっ…!」
一時間、あいつはそう言ってた。
どうせ自分が帰ってくる頃には、俺がこのオモチャに我慢できなくなり、自慰に耽っていると思ったんだろう。そしてその姿を弄り倒そうと企んでいるに違いない。
絶対に、あいつの思い通りになんてさせるものか。
「ぁ、あッ……んんッ…」
すでに反応してしまっている下半身に視線を向ける。
アナルからの快感に慣れてしまっているため、こんな微妙な刺激でも俺自身はしっかり勃起していて、先端からは半透明の液体を滲ませていた。快感に正直な俺のそこは、触ってくれ、扱いてくれと言わんばかりに、血管を浮き立たせ、ぴくぴくと震えている。
何が何でも、自分では触るものか。
「ぅ、ぅうー…」
ペニスの先端から滲み出ていた体液が、たらりと流れる。その液体が流れていく感覚すら、微かな快感となって感じ取ってしまう。
ぶるりと背筋が震えた。
…俺って、こんなに敏感だったっけ?どちらかと言うと感覚も鈍い方だと思ってたんだが。
熱に蕩けかけた頭で少し考えてみて、気がつく。
たぶん、眺めているからいけないんだろう。自分が興奮してる様子を目の前で観察して、余計に感じてしまっているんだ。
ならば目を閉じてしまえばいい。
瞼を閉じて、視界を真っ暗に閉ざず。
「…ひッ、ぁんッ…あッ?」
しかし、視覚を封じた分、感覚と聴覚が鋭利になってしまう。
後ろに食い込んだ物を強く感じてしまい、さらに生々しい機械音もより一層強く聞こえた。
「ぁ、やッ……く、そ…!」
瞼を開いて、天井を見上げる。
まだ、古泉は帰ってこないのか。あと何分ぐらいなんだ。
「あ、う…んくっ…」
時計を見るのは怖い。これで半分も経っていなかったら、俺はすぐにでも自分自身に手を伸ばしてしまうだろう。
放置したままのペニスからは、たらたらと体液が流れている。見なくてもわかる。シーツの染みが少しずつ広がっているから。
生理的な涙で、視界が滲んできた。
「うッ…く、ああッ!」
じわりじわりと蓄積していく快感に、天井を仰ぐ。
目元から涙が流れる。決定的な刺激が与えられないことが、こんなにもつらいものだなんて知らなかった。
「ああ、あッ…!あッ!」
喉を仰け反らせながら、一人声を上げる。
古泉…古泉は、まだなのか?
「こ、いずみッ…!古泉、こいずっ……!」
泣きながら何度も何度も奴の名前を呼んだ。
早く帰ってきて、俺を解放して欲しい。俺が悪かった、謝るから。いっぱい触って欲しい。
もうそれだけしか考えることができなかった。











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